ぼくがサッカーを見るときに意識していること

ぼくがサッカーを見るときに意識していること

2021年5月18日 0 投稿者: マツシタ
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みなさんこんにちは、マツシタです。

今回はぼくがサッカーをどう見ているのか知りたいというお声をいただいたので、試合を見るときに気を付けていることを軽くまとめてみたいと思います。

サッカーの要素はとても多く、また複雑なのでひとつひとつの細かい要素についてはまた別の機会に掘り下げるとして、今回は簡単に大枠を紹介したいと思います。

 

 

サッカーを分析的に見ることの意味

ぼくは試合を見るとき、パソコンでWordにメモを取りながら見てます。昔は紙のノートにメモっていたけれど、タイピングなら試合を見ながらでもできるので変えました。チームの戦術と選手の特徴に分けてまとめています。

なぜそんなことをするかってそりゃ楽しいからなんです。なんてそんなことを言っては理解できない人が置き去りになってしまう。せっかくこの記事を開いてもらったからには少しでも理解してほしい。なので、その意味を少し説明してみようと思います。

僕はサッカーの試合を分析することは歌の背景や元ネタを知るようなものだと思っています。

いい歌はただ聞くだけでも感動したり体が勝手に動き出してしまうほど心地よかったりしますよね。でも、その歌には必ず元になる経験や思いがあります。そうした裏話を知ることで余計に歌詞が心にしみてきたりメロディーが表現するものが理解できたりする経験、みなさんありませんかね?

サッカーも同じで、スーパーなゴールや1点勝負の緊張感、点を取り合うスリリングな展開などはだれが見ても楽しめると思うんです。でも、なぜそうなったのか。チームとしてどういう狙いがあって、それがうまくいっているのかいないのか。勝利の可能性を高めるために、試合中にどんな変化を起こしたのか。そんなことが見えてくるようになれば、ひとつの試合に物語が生まれてきます。ぼくは表面上のプレーの裏に隠されたものが読み解けるようになると、どんな流れの結果としてそのプレーが表出されたのかがわかるようになると、さらにサッカーが面白くなりましたね。

もちろんサッカーの見方なんて人それぞれです。こうした見方を押し付ける気は全くありません。各々が好きなようにサッカーを楽しめばいいと思うんです。

ただ、分析的にサッカーを見てみたいという人、何か参考にしてみたいという人にとって何かの助けになればいいなと思い、書いていこうと思います。興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

 

 

選手をみるとき

それでは、選手を見るときに僕が気を付けていることを説明します。それはずばり、「いいプレーをしているかどうか」です!

いや、当たり前ですね。じゃあ、その「いいプレー」とは何なのか。それはずばり、局所的な数的優位を作り出すプレーです。

サッカーは11対11で行われる数的均衡のスポーツです。これを崩すプレー、つまり数的優位を作り出すプレーはチームに大きな優位性をもたらします。

たとえば、ドリブルは一番簡単に数的優位を作り出すプレーですよね。相手を突破できれば、そいつを瞬間的に試合から消すことができる。数的優位を作り出せるわけです。ドリブルに限らず、空中戦でもデュエルでもそうですが、目の前の相手とのマッチアップに勝つということは、その選手を試合から消して数的均衡を破壊するという意味でいいプレーなんですね。

他には、最近流行りのチャンネルラン。サイドに張った選手がボールを持っているときに内側を走り抜けるという単純なプレーなんですが、効果は絶大。サポートランによって局地的な数的優位が作り出せますからね。

この「局所的」というのがキモです。ピッチ全体でみたら退場者が出ない限りつねに数的均衡なので、エリアで区切って局所ごとに数的優位を作れているか見ることを意識してます。区切り方は5レーンと3ゾーン(ディフェンシブサードミドルサードアタッキングサード)に沿うことが多く、アタッキングサードはペナルティエリアの内と外でさらに区切ることが多いですかね。

 

チャンネルランに話を戻しましょう。もし相手がこのランニングについてきたとしましょうか。この場合、ついてきた相手がもといたスペースが空くことになります。この空いたスペースにウイングがカットインしたり他の味方が入っていくことで1対0を作ることができます。

1対0を作る=スペースを作る、使うというのは最も理想的なプレーです。相手がいなければ何でもできますからね。そういう意味で、スペースを作るおとりの動き、スペースに入り込んでフリーで受けるプレーなんかも数的優位を作り出すプレーの発展形としてとらえています。

 

逆に、守備では数的優位を作られないこと、できれば数的優位を作り出すことがいいプレーだと考えます。1対1に負けないことは数的均衡を保つという意味でいいプレーですし、そうして味方が粘っている間にプレスバックしてくれば数的優位を作り、挟み込むことができる。これらもいいプレーです。

危険なスペースを察知して埋めるプレーも1対0を許さないプレーだし、カバーリングも実質的に相手アタッカーに対して2対1を作り出すいいプレーです。

このように、サッカーにおけるいいプレーは数的優位を作り出すプレーであると(多少強引に)まとめることができるのかなと思います。ほかにもいろいろあるんですけど、選手を見るときは大まかにはこうしたプレーをどれくらいできているかに気を付けて見ています。

 

 

試合の流れを見るとき

それでは、試合の流れを見るときに気を付けていることを見ていきましょう。

僕が試合の流れを分析するときにまず見るのが、ボールを持っているチームの陣形です。最近ではスタメン紹介の時に発表されるフォーメーションから選手の配置がどんどん変わることが当たり前なので、ビルドアップ時の陣形を早めにつかんでしまいます。

それが把握できたら、そのビルドアップに対して相手はどのように守備をするのかを見ます。前からプレスに行くのか、しっかり引いて守るのか。前からプレスに行くときには、相手の陣形の変化にどう対応しているのかを見ます。基本的にマンマークでなければプレスはハマらないので、相手の陣形に対してどうかみ合わせていくのかをつかみます。もっと具体的に言えば、自分の持ち場を外して出ていく選手がだれなのかを見ていますね。

それでも守備側のプレスがハマらないときには、どこから前進されているのかを把握します。それがわかれば、どこでかみ合わせがうまくいっていないかがわかります。かみ合わせがうまくいっていない場所では、守備側が局所的な数的不利になっていることが多いです。ここでもポイントは数的不利なわけです。

守備側がプレスに行かず自陣に引いているときには、攻撃側がそれをどう崩そうとしているかを見ます。どちらサイドから攻め込むことが多いのか、シュートに至る形はクロスボールなのかミドルシュートなのか、など。

これを両チームについて早めに把握してしまいます。序盤にこれらを把握できれば、その後のチームの修正が見えてくるからです。攻撃側がうまくいっていないから陣形を変更したとか選手を入れ替えたとか、守備側がプレスの掛け方を変えたとか、そういう変化が見えてくるようになると試合に一気に物語性が生まれます。監督の意図が見えてきて、チームが一つの生き物のように見えてくるんです。すべての作業は、変化に気づくために行っているといっても過言ではありません。

高度な試合になると、一試合のうちに何度も変化が繰り返されて行きます。それによって何が変わったか、だれが輝きだれが割を食ったのかなどが見えてくると、サッカーに対する見方は一変するんじゃないかと思います。その変化がどういう狙いで行われたかまで見えてくると、監督同士の戦術戦みたいな視点でもサッカーを見られるかもしれませんね。

ちなみに、チームを分析するときも基本的にこの方法で見ています。これを3~5試合ほど繰り返せば、各試合のチームのふるまいがスタンダードなのか、相手に対する対策なのかがわかるようになってきます。チームのスタイルがわかるようになると同時に、試合ごとの変化にも気づきやすくなるんです。

試合という物語を読むためには試合中の変化を読み取る必要がある。その変化をつかむには、スタンダードが何なのかを知らなければならない。このスタンダードを知る手助けになればいいな、というのが僕がブログを書いている狙い、思いだったりします。

だから僕は各試合の分析ではなく、もっと普遍的なところ(チームの戦術について紹介したり、選手の特徴について紹介したり)に軸足を置いて記事を書いているんですよね。いわば試合分析を投稿している人のような見方をみんなリアルタイムでできるようになるみたいな。記事を読んでそうだったのか!と納得するのではなく、記事は応え合わせ、みたいな。特定のチームのサポーターではなく、広くみている僕だからこそできるのってそういうところなのかな、と。

それによってスタンダードと変化がつかめ、試合の流れを読めるようになる助けになればいいなと思っています。

 

 

あとがき

ざっとぼくがサッカーを見るときのポイントを挙げてきました。何かの参考になれば幸いです。

…と言いつつ、これだけではなかなか難しいというのは承知しております。予備知識がそこそこあるならまだしも、それがない状態でいきなり数的優位について見ろ!とか陣形と変化を把握して意味を考えろ!とかいわれてもなかなか難しいですよね。少なくとも僕には無理でした。何冊も何冊も本を読んで、それを何試合も何試合も見て実践に移してようやくそれなりの形になりましたね。まあ観戦術というテーマで一冊の本が出版されちゃうくらい奥が深い世界なので、当たり前の話です。

序文でも書いた通り、今回紹介したのは大枠に過ぎません。サッカーを構成する要素は本当にたくさんあって、それらを理解したときにさらにサッカーを深く見られるようになるんだと思います。それだけサッカーは複雑だし、だからこそおもしろいんだと思います。

そこで、そうしたひとつひとつの要素についてがっつり掘り下げていく記事を少しずつ書いて行こうと思っています。サッカーの教科書みたいなものをこのサイトに作っていけたらいいかなぁなんてのが理想ですかね。

かなりデカいものをぶち上げてしまった気がしますね。まあ自分が持っている知識を体系的に整理したい、それがほかの人の役に立てばいいな、くらいな感じに思っているのでそんな大仰なものになるかはわかりませんけど。自分にできる範囲でがんばっていこうと思います。

ということで、「サッカーの教科書シリーズ(仮題)」お楽しみに。