【鬼木流カオスフットボール】川崎フロンターレの戦術を徹底解剖!

【鬼木流カオスフットボール】川崎フロンターレの戦術を徹底解剖!

2021年4月10日 4 投稿者: マツシタ
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川崎フロンターレがエグい。ここ4年で3度のリーグ優勝。その中でも、昨年はとびぬけて強かった。

J1史上最多の勝ち点83と総得点88、シーズン中に2度の10連勝は史上初、4試合を残しての優勝決定は史上最速。たぶん、Jリーグ史上最強だ。

今シーズンもその強さは継続中。ここまで8勝1分け無敗、22得点4失点。早くも独走態勢に入りかけている。

しかし、川崎がとんでもなく強いことはサッカーファンなら誰しも理解していることだろう。いまさら説明する必要もない。

でも、その割には川崎が具体的にどう強いのか、どういうメカニズムで勝利を重ねているのかをしっかり言葉にしているコンテンツが少ないような気がする。

それならば、ということでこの記事を書いた。史上最強チーム川崎フロンターレの戦術を徹底的に掘り下げ、丸裸にする1万字。どうぞお付き合いください。




データから探る川崎の全体像

細部を見ていく前に、まずは大まかな全体像をつかみたい。

多くの人にとって、川崎と言えばパスサッカーだ!というのがまず最初に思い浮かんでくるイメージなのではないだろうか。

  • 1試合平均パス回数 519(リーグ2位)

というデータを見ると、たしかに川崎はたくさんのパスをつなぐチームのようだ。3位神戸との間にはかなり大きい差があるので、川崎はマリノスと並んでJ1屈指のパス回数を誇るチームだといっていい。

 

パスサッカーを展開するチームは総じてボール支配率が高くなるが、川崎のボール支配率はどのようなものか。

  • 平均ボール支配率 55.2%(リーグ5位)

たしかに、川崎はJ1の中でもボール保持を重視するチームのひとつだといっていい。しかし、パスの回数の突出した多さから考えると、ボール支配率が特別高いというわけでもない。川崎と並んでパス回数がとびぬけて多かったマリノスよりも平均支配率が7%以上低いことを考えると、川崎はパスをよくつなぐ割にはボールを支配していない

逆に、そこまでボールを支配していないにもかかわらずパスの本数が多いということは、それだけ短時間の間に多くのパスをつないでいるということだ。これはワンタッチ、ツータッチでのパスが多くてテンポがいいこと、一つ一つのパススピードが速いこと、パスの距離が短いことの3つが原因だ。詳しくは後ほど。

 

実は、J1連覇を果たした2018年を境に川崎の平均ボール支配率は61.6%→57.7%→56.3%と徐々に減ってきていて、今シーズンもその傾向は続いている。つまり、川崎は徐々にボール保持にこだわらなくなってきているということだ。

それでも、得点数は減っていない。いや、むしろ増えている。それは

  • 1試合平均シュート数 12.6(リーグトップ)

というデータを見ても明らか。なぜ川崎がリーグで最も得点を量産できるのかと言えば、それはリーグで最もシュートチャンスを作っているからだという身もふたもない事実が明らかになったわけだ。

ちなみに、この1試合平均シュート数12.6という数字は昨シーズンの13.6には及ばないにしろ、2年前の11.1、3年前の11.9、4年前の11.6と比較しても有意に多くなっている。全体的な傾向を見れば、川崎はボールを持つ割合が低くなるにつれてチャンスの数を増やしているといっていいだろう。

 

ボールを支配しなくなった川崎。それでもシュートチャンスが増えているということはつまり、ボールを奪ってからの素早い攻撃、すなわちカウンターからのシュートチャンスが増えたということだ(実際、今季の川崎の攻撃の多くが速攻から生まれている。詳しくは後ほど)。

速攻を繰り出すために重要なのはそのひとつ前のアクション、すなわち守備。その中でも、インターセプトはパスカットによって完全に自分のボールにしてしまう行為。これを決めることができれば、勢いそのままに速攻に出ていくことができる。

  • 1試合平均インターセプト数 16.9(リーグ2位)

このデータを見ると、やっぱり川崎はリーグでもトップクラスにインターセプトを決めているチームだということがわかる。前向きにボールを奪えていることが、カウンターから多くのチャンスを生み出せている秘訣のひとつなのだ。

 

もう一つの守備アクション、タックルについても見てみよう。

  • 1試合平均タックル数 16.9(リーグ5位)

インターセプト数ほどではないにしろ、川崎のタックル数はリーグの中でも上位の数字をたたき出している。

 

このランキングから見えてくる事実はもうひとつある。タックル数で川崎よりも上位のチームのうち柏、福岡、湘南はともにボール支配率でボトム10に入っている(福岡に至っては最下位だ)。これらのチームはボールを持つ時間が少ない、すなわち守備をする時間が長いチームだといえる。守備の時間が長ければ長いほどタックルの数が増えるのも当然だろう。

一方、川崎は(徐々にその傾向を弱めているとはいえど)J1の中ではボールを支配して攻撃する時間が長いチーム。だから、前述した3チームよりも守備時間は少ない。

にもかかわらず守備アクションが多いということは、ボールを奪われてから守備アクションが行われるまでの時間が短いということ。いわゆる即時奪回だ。

実際に試合を見ていても、川崎はボールを失った瞬間に激しいプレッシングを仕掛けて相手から自由を奪うことに成功している。攻守の切り替えがとにかく速い。即時奪回の意識が徹底されていることが、リーグで4番目に失点数が少ない堅守を支えているのだ。

 

もうひとつ注目すべきデータがある。

  • 1試合平均ファウル数 9.3(リーグ13位)

と、リーグでも屈指のタックル数を誇るにもかかわらずファウルの数は下位に位置しているのだ。

 

これはつまり、川崎がファウルを犯すことなく、確実にボールを奪うことに成功していることを現している。激しくもクリーンなのが川崎の特徴なのだ。

タックル数上位のチームのほとんどがファウル数でも上位にランクされているのとは対照的だ。

  • 柏 :タックル数トップ、ファウル数トップ
  • 福岡:タックル数2位、ファウル数6位
  • 湘南:タックル数4位、ファウル数7位
  • 札幌:タックル数6位、ファウル数2位

となっている。

 

このようにみてくると、インターセプトの多さも含めて川崎はクリーンにボールを奪うことができているといえる。攻撃時の技術の高さが注目されがちな川崎だけど、実は各選手の守備技術もめちゃくちゃ高いのだ。

ファウルなしでボールを奪えるからこそ速攻につながる。川崎はいい守備がいい攻撃を生むということを改めて教えてくれるチームである。




攻撃

 

川崎のパスワークの特徴

速攻も組み込み、激しい守備も特徴になってきている川崎だけど、やっぱりパスワークは彼らの特徴としてしっかり根付いている。ここからは、川崎のパスワークの特徴について考えてみたい。キーワードは距離の短さ、テンポ、パススピードだ。

川崎は基本的にはロングボールを使わず、ショートパスで丁寧につないでいく。サイドを変える時でも、ほとんどの場合は中盤の選手が降りてきて中継する。だから、パスの距離が短くなる。基本的に距離が長くなるほどパスの成功率は落ちるので、長距離のボール移動をいくつかのショートパスに分割することはパスミスを大きく減らすことに成功している。

反面、1本のパスで済むところを複数に分割するとそれだけ時間がかかってしまうのが普通だ。

しかし、川崎の場合はこの中継を素早く行える。ロングパス1本と大差ない時間でボールを移動させることができているのだ。その秘訣が1本1本のパススピードが速いことであり、ツータッチをワンタッチに近いスピードで行えるテンポの良さだ、それを支える各選手の技術の高さだ。

 

パスの距離を短くすることで発生する問題はほかにもある。相手との距離も近くなり、囲まれやすくなってしまうことだ。しかし、川崎は相手につかまらない。その理由はビルドアップの形に決まりがないからだろう。

川崎は後ろにいるCB2枚以外はとても流動的に動く。シミッチがサポートに入ることもあれば、サイドバックが低い位置にとどまって3バック化することもある。田中・脇坂の両インサイドハーフが斜めにおりてくることもあるし、果てには家長が低い位置に降りてきてパスを引き出す形もある。

 

そのどれを選ぶかは全くルール化されていなくて、その時々に応じて選手たちが臨機応変にポジションを取っていく。だから、相手はどの選手をマークすればいいか分からなくなる。事前に対策を用意しておくこともできない。

さらに、これだけ流動性がありながら、チームとして絶対にバランスが崩れないのが川崎のすごいところ。各選手には自由が与えられているけど、各自が自分勝手に動いているわけではない。誰かが動けばスペースが空き、そこにほかの選手が入る。その選手がもともといた場所にできたスペースにもまた誰かが出てくる。これが徹底されているから、バランスが崩れない。

ここら辺は川崎が長年かけて成熟させてきた真骨頂だといえそうだ。




昨シーズンからの変化

昨シーズン、記録的な強さで優勝した川崎フロンターレ。しかし、彼らはそこにあぐらをかくことなく、今シーズンも相手の対策を見越して変化を加えている。

ここで、昨シーズンと今シーズンのヒートマップについて、それぞれ3試合をピックアップした。まずはこれを眺めてほしい。共通点と変化した点はなんだろう。

〈昨シーズン〉

 

〈今シーズン〉

 

まずは共通点。ミドルサードに注目してほしい。今シーズンと昨シーズンのヒートマップ、その両方で左サイドが最も濃くなっていることがわかる(下図で赤の線で囲ったエリア)。つまり、川崎はビルドアップの時に左サイドを起点にしていることがわかる。

〈昨シーズン〉

 

〈今シーズン〉

 

ビルドアップの中心になっているのが左サイドバック、左ウイング、左インサイドハーフの3人。彼らは流動的にポジショニングを変化させながらパスを回し、前進していく。今シーズンでいえば、旗手が中央に絞っていくことが多く、三笘が中に入ってくることもある。逆に、もともと中にいる田中が外に流れていくこともある。

流動的に動く3人だけど、必ず三角形を作っているのが特徴。その頂点がぐるぐると循環するようにして動きながらも、三角形は崩さない。パスを回すためには三角形が大切だよという原理原則に忠実だ。

この3人をサポートするシミッチと谷口の気の利いた動きも見逃せない。彼らがいいポジショニングをとっているからこそいざというときにボールを逃がせる。

 

問題は昨シーズンとの変化だ。注目すべきはファイナルサード。もう一度先ほどのヒートマップを見てほしい。すると、昨シーズンはファイナルサードでも左サイドの色が濃くなっている(緑の線で囲んだエリア)のに対し、今シーズンは右サイドの色が濃くなっている(青の線で囲んだエリア)。

つまり、今季の川崎は左サイドから攻撃を組み立てることは不変としつつも、最終的に攻撃を仕上げるエリアを右サイドに変更しているのだ。ヒートマップ上の矢印の長さを見ても、左サイドから攻撃する割合が減っていることは明らかだ。

左から組み立ててそのまま左で仕上げていた昨シーズン。ここでカギを握ったのはもちろん三笘。彼の強力なドリブルが川崎の崩しの最大の切り札になっていたことは周知の事実だ。

しかし、今シーズンはどの対戦相手も三笘のドリブルを警戒してきていて、複数人で囲むなど対策も進んでいる。そこで、川崎は左サイドの三角形によるパスワークと三笘のドリブルを匂わせながら相手を左サイドに寄せておいて、最終的には右サイドに展開してゴールを狙っていることがわかる。




川崎の遅攻はほとんどこれ

昨シーズンと打って変わって攻撃の肝となった右サイド。一体どのようにして相手を崩そうとしているのか。

実は、右サイドの攻撃のパターンはひとつしかない。ずばり、「外で引き付けて中で仕留める」というものだ。

川崎の右サイドには国内屈指のマエストロ、家長がいる。彼にボールが入れば、当然相手のサイドバックは自由を与えまいと寄せて来る。すると、相手のサイドバックとセンターバックの間に大きなギャップができる。このギャップを利用しようというのが川崎の狙いだ。

具体的に気は下図の赤いエリア、ペナルティエリア右側の深い位置をとることが右サイドの崩しの目的になっている。

 

このエリアをとるためのアプローチはふたつ。

 

山根の飛び出し

その中でも頻繁に使われているのが山根の飛び出しだ。

先日の日韓戦でもゴール前に飛び出して代表初ゴールを決めた山根。これは川崎でよくやっている形なのだ。

サイドハーフがタッチラインいっぱいに張る。そうするとサイドバックがつられてCBとの間にスペースができる。そこに斜めに飛び出す山根が決定的なチャンスを作り出す。

 

この形が最もよく表れたのがセレッソ戦のダミアンの2点目だ。

 

インサイドハーフの飛び出し+山根の縦パス

飛び出す選手がインサイドハーフのパターンもある。この場合は山根は家長の後ろにポジショニングしてボールを受け、相手CBとSBの間に潜り込んだ選手に鋭い縦パスを入れることでチャンスを作る。

パスの受け手としても出し手としても、その両方からチャンスを作り出しているのが山根なのだ。右サイドの崩しのキーマンは家長のようでいて、実は山根なのだ

この形がよく現れたのが仙台戦の4点目だった。

 

このふたつの形に共通するのは、いったんバックパスを入れていることだ。これがキモ。ゆったりとしたバックパスは相手の目を釘付けにして狙いたいスペースから相手の目を遠ざけ、なおかつそのスペースへ味方が入り込むための時間を作り出す。何気ないプレーだけど、効果は抜群なわけだ。

いったんウイングに預けるパスによる左右の揺さぶり、そこからのゆったりとしたバックパスと素早い縦パスによる緩急の差と前後の揺さぶり。前後左右、緩急を使って揺さぶられると相手の守備ブロックは音を立てて崩れてしまう。右サイドの崩しはほとんどこれしかやっていないけど、これだけで簡単に点が取れてしまう。

また、同じ形は左サイドでも見られるようになってきていて、中央に自由に入ってくる旗手が山根のような動き方を習得しつつある。

 

外で引っ張って中で仕留める」。これが川崎が狙っている崩しの形だ。家長や三笘といった国内屈指のサイドプレーヤーさえもおとりとして利用してしまう川崎、恐るべしだ。いや、彼らのような強力なウイングだからこそ、相手のサイドバックを外に引っ張る引力が強く、中央が空きやすいといえるかもしれない。




最大の武器はショートカウンター

このように、シンプルだが分かっていても止められない崩しの形を持っている川崎。しかし、彼らの得点パターンで最も多いのは遅攻ではない。高い位置でボールを奪ってからの素早い攻撃、すなわちショートカウンターだ。

今シーズンの得点をすべて見返したところ、総得点22点のうち半分の11点がショートカウンターから決まっている

先ほども書いたけど、川崎はとにかくボールを失った直後の切り替えの意識が徹底されていて、プレスがめちゃくちゃ速い。すぐに奪い返し、そのままゴールに結びつけてしまう。

チャンスを確実にものにする選手のクオリティの高さも圧巻。決められた形がなく、チームワークより即興性と個人技が求められるカウンターでたくさんのゴールが生まれているのは、川崎のアタッカー陣の個人能力が高いからに他ならない。

 

このように、高い位置で素早くボールを奪い返し、そこからの素早いショートカウンターでゴールを量産している川崎。川崎の得点力の秘訣は、完成された守備にあるといえる。

それでは、川崎の守備はどのようなメカニズムになっているのか見てみよう。




守備

 

ハイプレスのメカニズム

川崎はいったん4-3-3のブロックを組んで構え、そこからプレッシングを開始する。この時に焦点になるのがサイドのスペースだ。

68mの横幅を3人でカバーすることはできないので、その脇は必ず空く。相手側からすればこのスペースにうまくボールを運びたい、川崎側からすれば運ばれたくない。この攻防が焦点になる。

 

川崎はサイドを使われたくないのでウイングが外から内に向かってプレスをかける

1トップのダミアンは基本的に相手の中盤の選手をマークしているので、相手CBにプレスをかけるのはウインガーの役割だ。相手のサイドバックへのパスコースを切りながら、ピッチ中央方向へ向かって圧力をかける。

つまり、ボールを中に誘導しようとするのだ。サイドが空いているということは中央には多くの選手がいるということ。ここで人数をかけて囲い込み、ボールを奪ってしまうのが狙いだ。

また、ピッチ中央の方が相手ゴールに近い。ここで人数をかけて奪えればすぐさま得点チャンスになる。だから、中へ中へとボールを追い込む守備をするのだ。

 

大分戦の2点目はこの狙いがうまくはまった典型的なシーン。サイドから中央方向にプレスをかけてきた三笘がボールを奪ってそのまま決めた。やっぱりこの位置でボールを奪えればゴールに直結するわけだ。

 

しかし、そううまくいく場面ばかりではない。対戦相手は中盤を経由してサイドへ素早く展開する形を多用してくる。もともとサイドバックをマークしていた ウインガーがCBの位置にいるので、サイドバックはフリーになっているのだ。

 

ここへプレスをかけるのがインサイドハーフの田中と脇坂。彼らがピッチ中央から出ていってプレスをかける。つまり、ここで守備のやり方が切り替わる。まずウイングがは内へとボールを追い込もうとし、逃げられたらMFが外へボールを追い出す。これが川崎の守備の基本的な狙いだ。

もちろん周囲の選手の連動性も素晴らしい。CBへとプレスしていたウインガーはプレスバックして挟み込み、周囲の選手たちもマンマークでパスコースを消す。これによってサイドでは4対3の数的優位を作り出すことができる。

パスコースが無くなり困った相手はたいていの場合ボールを捨ててしまうか、何もできずにカットされてカウンターを食らってしまう。

 

これがきれいにうまくいったのが仙台戦の5点目だった。今説明したメカニズムがとても分かりやすいと思う。

 

先ほど説明した過程を高速で行っているのがお分かると思う。川崎はとにかくプレスのスピードが尋常じゃない。相手に少しの考える隙も与えない。それでいて各選手が判断を間違えてフリーな選手を作ってしまうことがない。さらに、激しいにもかかわらずファウルを犯さない。ファウルなしでボールを奪えるからこそ速攻につながる。

ここまでプレッシングのクオリティが高いチームはJリーグはおろかヨーロッパにもなかなかないのではないだろうか。

川崎のプレスをかいくぐるには、たぶん川崎レベルで足元のテクニックがある選手がそろっていなければ難しい。そういう意味で、普段のトレーニングから厳しいプレッシングとそれに動じないパスワークが攻めぎあいを繰り返しているからこそ、その両方が磨かれていくのではないだろうか。この好循環がどんどん回る川崎に追いつけるクラブはあるのだろうか…。




失点パターンは…

このように、いったん構えてプレスを発動してしまえばほぼチャンスを作られない川崎。それでは、どのような形からピンチを迎えているのか。

最も多いのは自分たちのビルドアップをカットされてカウンターを食らう形

その頻度はほかのチームと比較するととても少ないものの、いくら川崎の選手と言えどミスはある。こういう形でピンチになる場面が出てきてしまうのは仕方がない。

ただ、そうなってもジェジエウと谷口の両CBの個人能力がとても高いので何とかなっている。CBの人選は足元のテクニックよりも対人守備の強さを優先している印象で、前から果敢にプレスに行けるのも後ろから丁寧につないでいけるのも、最終的にはこの2人が何とかしてくれるという安心感があることが大きいように感じる。

 

むしろ失点に直結しているのがセットプレーだ。特に1度はじき返したセカンドボールを拾われた流れからの失点が多い。

攻撃に関しても、川崎はリーグでもトップクラスでセットプレーのチャンスがあるにもかかわらず、いまだ1点しか奪えていない。攻守両面でセットプレーは唯一の改善点と言えるだろう。




あとがき

どう頑張っても止まらない川崎の攻撃力。なぜ対策が効かないのか。

それは、攻撃のパターンが決まっていないから、カオスだからではないだろうか。

ある程度形が決まっていれば相手は対策できる。それは川崎のセットプレーからの得点が1点しかないことが物語っている。

一方、右サイドからの崩しはパターンが決まっているとはいえ(わかっていても止められないけど)ビルドアップ時の選手の立ち位置はランダムで決まりがないし、カウンターも決まった形がない攻撃手段なので対策のしようがない。

守備時も含め、この流動性の高さ、カオスさが川崎のつかみどころのなさ、底知れぬ強さにつながっているのではないだろうか。

速攻からも遅攻からも点が取れて守備もかたい要するに隙がない。さらに言えば、まだここに大島僚太がいる。

チームとしての完成度はJリーグの中でも群を抜いているので、ACLで勝ち進んで過密日程に苦しむとか環境が厳しい夏場に失速するとかがない限り今年も川崎が優勝するのではないだろうか。

個人的にはACLでの躍進に期待したい。ここ数年Jリーグでは圧倒的に強い川崎だけど、なぜかアジアではいまいち奮わない。今年こそは圧倒的な強さでアジアを席巻してほしいと思う。

 

 

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