戦術的にサッカーを見たい人におススメの本6選

戦術的にサッカーを見たい人におススメの本6選

2021年3月23日 0 投稿者: マツシタ
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今回はサッカー関連の本を20冊以上読んできた私がおススメする本を紹介したいと思います。

と言っても、いい本がとても多いので戦術的にサッカーを見るために役立つ本に絞っています。

しかし、それでも6冊も残ってしまいました。これではまだどれから買ったらいいのかわかんねぇよ!と言われてしまいそうなので、入門編的な本から専門的な本まで、どの順番で読むといいかの流れに沿って並べてみました。この順に読んでいけば、すっと頭の中に入ってくる!はず。

ということで早速見ていきましょう。




『アナリシス・アイ』

 

Twitterでの試合実況がおなじみらいかーるとさんの著書。私のサッカーへの見方を一変させた本です。

現代サッカーの基礎的な要素をすべて網羅していて、これを読むだけでサッカーの戦術的な用語や概念について総ざらいできます。

また文章も平易で、プレー経験がなくても試合を見ていればだいたい何を言いたいのかがわかるはず。

サッカー戦術の入門書としても教科書としても最適です。迷ったらまずは『アナリシス・アイ』から入れば間違いないと思いますよ。




『モダンサッカーの教科書』シリーズ

 

『モダンサッカーの教科書』シリーズは、現在もセリエAのボローニャで戦術分析担当のコーチを務めているレナート・バルディに片野道郎さんが質問を投げかけるという形式の本。

内容はそこそこ専門的なのですが、全体が対話形式で進んでいくのでとても読みやすいです。そしてボローニャのコーチの著作なだけあってセリエAの話が多々出てくるところも親近感が湧いてGOODです(笑)。

入門として特におすすめなのがシリーズ1作目の『モダンサッカーの教科書』。自信がある方は『アナリシス・アイ』を飛ばしてこちらを読んでもいいかもしれません。どれか一つに絞ってくれ!と言われたら、僕はこの一冊を選びますね。

ただ、基礎的な用語はある程度理解している前提で話が進んでいくので本当にイチから学びたいならまずは『アナリシス・アイ』から入ることをおススメします。

話を『モダンサッカーの教科書』に戻しましょう。特に見逃せないのがバルディが実際にどのように対戦チームを分析するのかをすべて語ってくれている章。プロが実際にやっている分析を公開してくれるなんてとても貴重!僕もこの章を何度も読み返しています。これを読めば、試合を見る目がさらに変わること請け合いです。

そのほかにもグアルディオラのサッカー哲学(ポジショナルプレーといいます)、トレーニングの組み方、データ分析、ポジションに対する解釈の変化などなど現代サッカーのトレンドが目白押し。その名の通り、現代サッカーの教科書になっています。

シリーズ2作目『モダンサッカーの教科書Ⅱ』はより現場で実際に何を行っているかに重点を置いています。サッカーを戦術的に見よう!という今回の目的からは少し外れる内容ですが、なにせ欧州5大リーグの現役コーチが現場のリアルを語っていること自体が貴重なので純粋に読み物として楽しめるはずです。

そして、シリーズ3作目『モダンサッカーの教科書Ⅲ』は各ポジションごとの最新トレンドについて解説してあり、こちらも必読と言いたい良書。それまでに出てきた戦術の要素を各ポジションごとに整理するのにとても役立ちます。

この本でポジションがタスクによって解釈され始めているということを予習しておいたおかげで、ピルロの意味不明な可変サッカーも理解できました。ピルロは多分、先進的すぎるんだとおもいますね。

話を元に戻すと、モダンサッカーの教科書シリーズを通して読むことで、ここ3~4年間のトレンドの変化の流れを時系列で押さえられるというのも利点。1作目『モダンサッカーの教科書』の刊行が2018年で、最新作の『モダンサッカーの教科書Ⅲ』が刊行されたのは2か月前の2021年1月21日です。

点だけでなく線で戦術について押さえられる本は非常に貴重なので、それもおススメポイントですね。

結論、1冊だけ選ぶなら『モダンサッカーの教科書』、できることならモダンサッカーの教科書シリーズ3作を通して読むことをおススメします。これだけでも、だいぶサッカーに対する見方は変わると思います。




『鳥の眼で観る』

 

インプットしたらアウトプットしよう!ということで次のステップにおススメするのがとんとんさんの著書『鳥の眼で観る』。まだ出版から1か月もたっていない、できたてほやほやな新刊です。

内容としては、最初にサッカーの戦術用語をまとめた章があり、その後は紙幅の大部分を使って各チームの戦術について分析しているといった感じ。

最初にまとめてあるサッカー用語の章は10ページと短いですがとても参考になります。最新刊なので今までの本には出てきていなかった最新の用語が多く、この章を本屋で立ち読みするだけでも最新のサッカー戦術をキャッチアップする上でかなり役に立つと思います。

チームの分析ももちろん読んでほしいです。ここまでの4冊で学んだ基礎的な戦術の要素がどのように組み合わさってチームが形作られているのかがクリアに見えてくるはずです。

また、最新刊なだけあって現在も本に書かれている内容と大枠で同じ戦術をとっているチームが多いです。そのため答え合わせがしやすいのもおススメポイント。本の内容と実際の試合を見比べながら、「なるほど、あの戦術要素は実際にはこうやって使われているのか!」と理解を深めていくことができると思います。

教科書を読んだら問題演習をするのが勉強の鉄則。本の内容それ自体もとても面白いですが、『鳥の眼で観る』は問題集のように活用するとより深く内容を理解し吸収できると思います。

ちなみに、セリエAウォッチャーとしてはセリエAのチームが最も多く取り上げられているのも推せるポイント。ユーベやアタランタ、サッリのナポリはもちろん、なかなか取り上げられる機会が少ないラツィオもとりあげてくれているのはうれしい!やっぱり戦術大国はイタリアなんじゃい!




『ポジショナルプレーのすべて』

 

さらに深く現代サッカーについて知りたい変態の皆さんにおススメしたいのが結城康平さんの著書『ポジショナルプレーのすべて』

現代サッカーを源流までたどっていくと、グアルディオラのバルセロナが世界を席巻して、その息がかかったスペイン代表がティキ・タカでワールドカップを初制覇したところから始まっているんですよね。ペップは現代サッカーの始祖と言っていい人物なんです。

そんな彼の思想はとても複雑で、外から見ているだけでは理解できません。事実、ペップバルサの登場後、多くの国やクラブが表面的に「ポゼッションサッカー」を模倣しましたがうまくいきませんでした。

ペップのサッカー哲学が急速に世界中に拡散したのは彼がバイエルンの監督になってから。異国の地で自らの理想を体現するべく、ペップはその哲学を徹底的に言葉に落とし込んでいきます。それをきっかけにして世界中に広がったのが「ポジショナルプレー」という概念で、これが現代サッカーの根幹をなしているんです。だから、ポジショナルプレーについて理解することは現代サッカーについて理解するために必須なんです。

しかし、ポジショナルプレー関連の本は実質的にマンチェスター・シティの戦術解説本になっているものが大半です。

もはやポジショナルプレーはペップだけのものではなく、全世界で共有され、それぞれにアレンジされている現代サッカーの戦術の基礎です。マンチェスター・シティの戦術を理解しても、ポジショナルプレーを理解したことにはならないと思います。

そこでおススメなのが『ポジショナルプレーのすべて』。この本はマンチェスター・シティをメインとしながらもその他のチームの事例もふんだんに取り上げていて、ただのシティの戦術解説ではなく正真正銘ポジショナルプレーの解説本です。おそらく、国内で唯一ではないでしょうか。古今東西の名将の名言を引用しながら、その理論がどのようにして形作られていったのかまでまとめられています。

実際のチームを超越する理論になるぶん、抽象度も上がるので難易度・専門性は高くなっています。この本を理解できるようになれば、あなたの戦術眼は非常に高いレベルに達しているはずです。

ここまでの5冊でサッカーの沼にはまってしまった方には、ぜひ挑戦してほしい一冊です。