【ミランのDFリーダー】シモン・ケアのプレースタイルを徹底解剖!

【ミランのDFリーダー】シモン・ケアのプレースタイルを徹底解剖!

2021年2月18日 7 投稿者: マツシタ
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今シーズンのセリエA最大のトピックはミランの復調、いや大躍進だといっていいだろう。そして、その躍進は絶対王イブラヒモビッチの帰還とともに始まった。そういう認識が一般的になっている。

この認識は半分正しく、半分間違っている。ミランの躍進はイブラヒモビッチとケアの加入によって始まったというのが正しい。

加入当時30歳だったシモン・ケアは、さらに半年前にアタランタに加入していた。しかし、ガスペリーニ監督の特殊戦術になじむことができず、リーグ戦わずか5試合の出場にとどまるなど苦戦していた。そんな選手に何ができるのか…期待値は低かっただろう。

しかし、ケアは実力で周囲を納得させていく。瞬く間に最終ラインの柱として君臨して無敗で突っ走ったチームを後方から支え、レンタル元のセビージャからの完全移籍を勝ち取って今シーズンに至る。

昨シーズンからの好調を継続して今季も圧巻のパフォーマンスを見せるケア。彼の何がすごいのか。

今回は、シモン・ケアのプレースタイルを徹底的に掘り下げていこうと思う。




ケアのプレースタイル

 

冷静な守備対応

ケアはいまやミランの守備陣で最も欠かせない選手と言っていいかもしれない。開幕戦からフル出場を続けていたケアが離脱した12月のセリエAにおけるミランの平均失点数は1.6点。一方、離脱前までの平均失点数は0.9点だったのだ。ケアがいるいないでは失点数が倍も違うということだ。

それもそのはず、ケアはここまでチーム内の守備スタッツで軒並みチーム内最高の数値をたたき出しているのだ。平均クリア数4.9、平均インターセプト数1.5はいずれもチーム内最高値。クリア数に関してはリーグ内でも最高値だ。

デュエル勝率も58%と高い数値を記録。190cm86kgの恵まれた体格があるケアは簡単には当たり負けしない。さらにジャンプ力も兼備し、地上戦だけでなく空中戦も非常に強い。その勝率は59%と地上戦以上だ。

これだけ多くの守備アクションを記録していながら、悪質なファウルが少ないということも特筆すべき事実だ。

ここまでケアがもらったイエローカードはわずかに1枚。いかにクリーンにボールを奪っているかがわかる。

ケアのプレーを見ていて特に目立つのがペナルティエリア内での丁寧な対応だ。簡単には足を出さず、アタッカーと正対する。そしてチャンスと見るやその強靭な体を相手とボールの間にねじ込みボールを奪ってしまうのだ。

その守備対応はまさに熟練の技。若いガッビアやカルルにとってはいい手本だろう。




多彩なパスで組み立てにも貢献

守備面で格が違うパフォーマンスを見せていることは伝わったと思う。しかし、ケアはそれだけでは終わらない。攻撃面での貢献度も非常に高いのだ。

セリエAにおける一試合平均のパス本数はチーム内2位の42.5。ELのデータではチーム最多になる(58.4)。ビルドアップ時に多くボールに触っていることがわかる。

ケアの持ち味はショートパスよりもロングパスにある。これはデータにも表れていて、一試合平均のロングパス成功数は4.6と2位のカラブリア(3.1)を大きく引き離してダントツトップの数値だ。

特筆すべきはキックの種類の多彩さだ。ケアは大柄だがその右足は非常に繊細。レーザービームのような鋭いサイドチェンジからふわっとしたロブまで臨機応変に蹴り分けることができる。

ロングボールをイブラヒモビッチに当てる形を主要攻撃パターンとするミランにとって、ケアはそのロングボールの供給源としても不可欠なのだ。




ケアの弱点

ここまではケアの長所を見てきたが、逆にケアに弱点はあるのだろうか。

これといって大きな弱点は見当たらないのだが、強いて挙げるなら左足の精度が落ちることだろうか。

ただ、プレッシャーを受けにくいセンターバックにおいてこの弱点が露見することは少ない。ケアがミランに果たしている貢献度と比べれば些細な問題だろう。

そういう意味では、ここにきて細かい負傷離脱が増えている点は不安材料といえる。来月32歳の誕生日を迎えるケアはベテランの域に入っている。過密日程の中ではフル稼働が難しくなってきているのかもしれない。

そういう意味で、ミランが冬にトモリを獲得できたのは非常に大きかった。ケアの負傷を受けてやってきたトモリはここまで期待値以上のパフォーマンスを見せているのだ。

彼のプレースタイルについても、あと数試合みてからまた改めてお伝えしようと思う。




あとがき

イブラヒモビッチの加入は純粋な戦力面だけでなく若いチームに経験を注入するという意味でも大きかったことは周知の事実だ。そしてそれはシモン・ケアにも当てはまるだろう。

6か国8クラブを渡り歩いてきたシモン・ケアもまた経験豊富で、若いチームを引っ張る立場にある。デンマーク代表でキャプテンを務める通り、リーダーとしての資質も十分なのである。

そのケアもキャリアを通してリーグタイトルを獲得したことがまだない。今シーズンはその絶好のチャンスと言っていいだろう。ケアにとってもスクデットは喉から手が出るほど欲しいタイトルのはずだ。

スペツィア戦での敗戦でついに首位から陥落したミラン。ここから立て直して優勝戦線にとどまれるか。そのカギを握るのはシモン・ケアなのではないだろうか。

 

 

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