【ヴェローナのファンタジスタ】マッティア・ザッカーニのプレースタイルを徹底解剖!

【ヴェローナのファンタジスタ】マッティア・ザッカーニのプレースタイルを徹底解剖!

2021年2月4日 3 投稿者: マツシタ
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19-20シーズンのセリエAで最も驚きを提供したチームがヴェローナだった。

昇格組として残留できれば御の字と言われていた中で下馬評を大きく覆しての9位フィニッシュでファンを驚かせた。

そのヴェローナの攻撃の中心にいたのがマッティア・ザッカーニだ。34試合に出場して2ゴール5アシストを記録したザッカーニは完全にヴェローナの攻撃の核だった。

この活躍は今シーズンも続いており、シーズン折り返し時点ですでに昨シーズンを超える5ゴール5アシストを記録。11月には念願のイタリア代表入りを果たした。

イタリアでもっとも乗りに乗っている攻撃的MFともいえるザッカーニ。今回は、そんな彼のプレースタイルについて徹底的に掘り下げていこうと思う。




ザッカーニのプレースタイル

 

高度なテクニックでチャンスを量産する

ザッカーニのプレースタイルを一言で表すなら「ファンタジスタ」だ。高度なテクニックを誇り、ボールを持つことで輝く。最近は少なくなってしまった、古典的なファンタジスタのにおいを残すプレイヤーだ。

ここまでリーグ戦全試合に出場してどちらもチーム最多の5ゴール5アシスト。文字通りヴェローナの攻撃の核になっている。

パス、ドリブルともに一級品でそのどちらからでもチャンスを生み出せるのがザッカーニの最大の強みだ。

ザッカーニがボールを持てば裏へ飛び出すのがヴェローナの約束事になっており、そこへ正確に合わせてゴールを演出する。特にナポリ戦でバラクのゴールをアシストしたアウトサイドでのスルーパスは芸術的だった。

  • 1試合平均キーパス 1.2(チーム内2位)
  • アシスト数 5(チーム内トップ)

というデータを見てもザッカーニのパスからチャンスが多く生まれていることがわかる。

 

また、ザッカーニは自らドリブル突破することもできる。スピードはそこまでないのだが、ボディフェイントを駆使した揺さぶりと一瞬の加速で相手を置き去りにするのが得意。

  • 1試合平均ドリブル成功数 1.6(チーム内トップ)
  • 1試合平均被ファウル数 2.8(リーグ全体の4位)

というデータを見てもザッカーニが優れたドリブラーであり、相手がザッカーニを止めるのに苦労していることがわかるだろう。ザッカーニのファウル数が多いのは、相手に寄せられても体をうまく使ってボールを隠し、しっかりキープしていることとも関係しているだろう。

  • 地上でのデュエル勝率 55%

というデータを見ても、彼の体の使い方がいかにうまいかがわかる。特別長身なわけでもがっしりしているわけでもないザッカーニが半分以上のデュエルで勝利しているというのは特筆すべき数字といえる。

 

チャンスクリエイト力が高いザッカーニだが、ここまで5得点している通り、得点能力も高い

逆サイドにボールがあるときに巧みなポジショニングでクロスを呼び込み、ゴールに結びつけるのが得意のパターンだ。

ビッグクラブと比べると決して多くないチャンスを確実にゴールに結実させているザッカーニの存在なしに、ここまでのヴェローナの躍進はありえなかっただろう。




ディマルコとの連携

ヴェローナにおいて、ザッカーニは左のシャドーを務めることが多い。彼を後方からサポートするのが、左ウイングバックのフェデリコ・ディマルコだ。

ディマルコとの連携の良さがザッカーニの好調を支えているといえる。ディマルコのタイミングのいい攻め上がりがザッカーニを助けているのだ。

特に多くみられるのがザッカーニがタッチライン際に開き(1⃣)、空いた中央のスペースをディマルコが駆け上がる(2⃣)連携だ。

 

右利きのザッカーニは左サイド目いっぱいまで開くことで相手選手を引き付け、ディマルコが突撃するためのスペースを空ける。もし相手がついてこなければ、ザッカーニはフリーでボールを受けられ、そこからは煮るも焼くも何でもできる。

裏へ走り出すディマルコへ正確なボールを供給しチャンスを生み出すこともできるし(この形からすでに2アシストを記録)、それをおとりに自らカットインして切り込んでもいい。

このふたりがヴェローナの攻撃の中心であり、そのためにヴェローナの攻撃は左サイドに大きく偏っている。




守備意識も十分

ザッカーニは古典的なファンタジスタタイプだが、ひとつだけかつてのファンタジスタとは違う点がある。それが守備意識の高さだ。

かつてのファンタジスタは自分がボールを持っていない場面では歩いていたものだが、ザッカーニは違う。

守備意識は十分高く、特にボールを失った瞬間の切り替えは非常に速い

ボールを失ったらすぐにプレスを行うことは現代サッカーの常識。これに適応しているという面で、ザッカーニはよりモダンな選手だといえるかもしれない。




ザッカーニの弱点

攻守両面で高い能力を持っているザッカーニだが、彼の弱点として試合によってパフォーマンスに波があることがあげられる。

ザッカーニはボールを持ってこそ生きる選手であり、チームが押し込まれてザッカーニまでボールが届かない試合では持ち味を発揮できない。

試合によっては存在感がまるで感じられないこともあり、チームの攻撃の中心であるにもかかわらず途中で交代を告げられることは多くなっている。

これはプレースタイルゆえの宿命とでもいうべきもので、ザッカーニ自身というよりはチーム全体としての問題だといえる。もしビッグクラブへ移籍すれば、より攻撃回数が増えてザッカーニの輝きはさらに増すかもしれない。




あとがき

数度のレンタル移籍を経験したものの、ここまでヴェローナ一筋のキャリアを送ってきたザッカーニ。才能が開花した昨シーズンにはすでに24歳になっており、遅咲きの部類に入るだろう。

昨シーズンからの継続的な活躍を受けてセリエAのほとんどの強豪クラブが獲得に動いており、ザッカーニ本人も2022年6月までの契約を延長する気はない様子。来夏の移籍は既定路線だ。

ラツィオローマ、インテルなどの名前が上がる中、特に熱心なのはミランとナポリで、ここにきてナポリと合意したとの報道が盛んにとり沙汰されている。ただ、夏の移籍市場まではまだ半年以上あり、今後何が起こるかはわからない。

ビッグクラブに移籍すればボールに触る機会が少ないゆえのパフォーマンスの波は減るだろう。そうなれば、ザッカーニはイタリア最高の攻撃的MFの名声を手にできるかもしれない。高度なテクニックをはじめ、素質は十分。あとは本人と少しの運しだいだろう。

ピッチ外のうわさに惑わされず、シーズン後半戦も継続して活躍してもらいたいところ。そうすれば、夏に開催されるEUROのメンバーに名を連ねていても不思議はないだろう。

 

 

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