【進化する音速ドリブラー】イルビング・ロサーノのプレースタイルを徹底解剖!

【進化する音速ドリブラー】イルビング・ロサーノのプレースタイルを徹底解剖!

2021年1月27日 8 投稿者: マツシタ
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2018年ブラジルワールドカップ、優勝候補だったドイツ代表はグループリーグでまさかの最下位に終わり、大会から姿を消した。すべては初戦となったメキシコ戦での敗北で狂ってしまったように思う。

その試合、メキシコはドイツの弱点であるハイライン裏を突き、何度も危険なカウンターを仕掛けた。決勝点となったゴールシーンはまさに狙い通りだったといえるだろう。

そのゴールを決め、世界にその名をとどろかせたのがイルビング・ロサーノだ。

当時メキシコのパチューカからオランダのPSVに渡ってプレーしていたロサーノはW杯でブレイクしたあと、続く18-19シーズンも30試合で17ゴール8アシストの結果を残してセリエAの強豪ナポリに引き抜かれた。

移籍初年度となった昨シーズンこそ26試合4ゴール1アシストと結果を残せず苦しんだものの、今シーズンはリーグの半分を消化した段階で19試合のうち18試合に出場、すでに9ゴール2アシストと昨シーズンの倍の数字を記録している。

セリエAになじみ、本領を発揮し始めたロサーノ。彼のプレースタイルはどのようなものなのだろうか。徹底的に掘り下げていきたい。




ロサーノのプレースタイル

 

快足を活かしたドリブルが最大の武器

ロサーノの最大の武器が爆発的なスピード、そしてそれを生かしたドリブルだ。

前述の2018年W杯での一撃は彼の持ち味が凝縮されたシーンだった。メキシコがカウンターを発動、持ち前の快速で右サイドを駆け上がってきてボールを受けるたロサーノはエジルをかわし、ノイアーを打ち破ってゴールを奪って見せた。

ロサーノのドリブルの特徴はほとんどフェイントを用いないこと。一瞬のスピードと急速な方向転換によって突破していく。難しいことをしなくてもそれだけで相手をかわせてしまうのだから驚異的だ。

相手もロサーノにスピードがあることが分かっているので、なかなか飛び込めない。ロサーノからすれば加速を匂わせながら進んでいくだけで相手が引き下がってくれるのである。

また両サイドを遜色なくこなせるのもロサーノの特徴。スピードという武器はサイドがどちらかに関係なく活かせるためだ。右サイドからでも方向転換と急加速を使い分けながらカットインしていくことができ、ロサーノの器用さがうかがえる。




得点力も高い

ノイアーを打ち破ったゴールを見てもらえれば伝わると思うのだが、ロサーノのシュートには非常にパワーが乗っている。

多少コースが甘くてもGKの手が届かない場面は多い。オランダでの2シーズンで34ゴールを挙げていることからもわかる通り、得点能力は非常に高い

この打ち抜くようなシュートをできる選手はなかなかいない。まして175cmと決して大柄ではないロサーノのような選手では珍しい。爆発的なスピードを生み出す驚異的な脚力があってこそ可能なのだろう。

彼の脚力はジャンプ力にも生かされる。ロサーノは小柄ながら驚異的な跳躍力を持ち、空中戦は意外にも強い。相手と競り合いながら空中戦を制してヘディングでゴールを決める形も得意で、ロサーノの得点パターンのひとつとなっている。




オフ・ザ・ボールの動き出しに磨きをかける

このように高い身体能力に裏打ちされてもともと能力が高かったロサーノだが、今シーズンはさらに進化している印象。身体能力以外にも、賢いプレーで相手を出し抜く場面が増えたのだ。

最も伸びたのがオフ・サ・ボールの動き出し。特に逆サイドハーフのインシーニェがカットインして顔を上げた瞬間に動き出し、スルーパスを引き出すプレーが多くみられるようになってきた。

これはロサーノの前任者ホセ・カジェホンが得意としていた形であり、これをロサーノもトレースしたということだろう。2シーズン目を迎えてインシーニェとの連携が熟成されたのである。

また少しずつではあるが、サイドに張ってボールを待つだけでなく、ハーフスペースに入り込んでボールを受ける場面も見られるようになってきている。

このように、知的なプレーも身に着けて進化したロサーノはいまや身体能力に頼るだけのプレイヤーではない。これが今シーズン結果を残せている秘訣と言えるのではないだろうか。




守備での貢献度も高い

ロサーノの快速が活かされる場面は攻撃時だけにとどまらない。

ロサーノは守備意識も非常に高い選手だ。特に味方がボールを奪われてカウンターを受けそうな場面では、快足を飛ばして猛然とプレスバック。ピンチの芽を摘み取る場面は少なくない。

特に奪われた瞬間の切り替えは非常に早く、守備に重点を置くガットゥーゾ監督の信頼をがっちりとつかんでいる。

試合を通して攻守にスプリントを繰り返すロサーノだが、それを試合の終盤まで繰り返せる持久力もまた見事だ。

攻撃と守備、どちらでも大きな貢献を果たすロサーノのチーム内での立ち位置はどんどん上がっている。




ロサーノの弱点

ここまではロサーノの長所を見てきたが、短所についても見てみよう。

先ほどロサーノのキックにはパワーがあるといったが、ロサーノはパワー系以外のキックが得意ではない。キックのバリエーションが少ないのだ。

クロスボールに関しても、鋭いグラウンダーのクロスは得意だが、味方が頭で合わせやすいふわっとしたボールを蹴ることができない。またスルーパスに関しても強くなりすぎてラインを割ったりGKにキャッチされたりする場面が多い。脚力がすごいので加減が難しいのかもしれない。

キックの種類が増え、味方を使うプレーが向上すれば相手にとってさらに脅威的なプレイヤーになれるだろう。

また、調子がいい試合では手が付けられない反面、消えてしまう試合や時間帯があることもまた事実だ。試合の早い段階で下げられてしまうこともしばしばみられる。

調子に波があるのがふたつ目の弱点で、ここが改善されてコンスタントに活躍が見せられるようになればより数字が残せるのではないだろうか。




あとがき

コッパ・イタリアでの敗戦に続き、セリエAの前半戦最終戦となったヴェローナ戦で1-3の逆転負けを喫したナポリ。これに激怒したデ・ラウレンティス監督がガットゥーゾ監督の解任を検討しているのではないかという報道が出ている。

たしかに現在6位とナポリの水準からしたら満足いくものではないが、ナポリは1試合消化が少ない状態であり、3位ローマまでの勝ち点差は3でしかない。未消化のユベントス戦で勝利すれば一気に3位にまでジャンプアップできる。

さらにいえば首位ミランとの勝ち点差もわずか9であり、まだまだ後半戦次第でどうにでもなる位置につけている。

スーペル・コッパは残念だったが、リーグはまだ半分を消化した段階であり評価を下すのは時期尚早。デ・ラウレンティス会長もスーペル・コッパを受けてナーバスになっているのだろうが、今一度冷静になってみてほしいものだ。

ここから巻き返し、リーグが終わった時に笑っていられるか。カギを握るのは、ロサーノかもしれない。

 

 

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