【ミランの陰のキーマン】アレクシス・サーレマーケルスのプレースタイルを徹底解剖!

【ミランの陰のキーマン】アレクシス・サーレマーケルスのプレースタイルを徹底解剖!

2021年1月1日 10 投稿者: マツシタ
Pocket

ミランの勢いが止まらない。2020年は1年間通してわずか3敗。セリエAに限って言えば最後に負けたのはコロナウイルス感染拡大による中断直前の3月8日ジェノア戦。およそ9か月間にわたって負けなしを継続中。今シーズンの欧州5大リーグでここまで負けなしなのはミランだけだ。今ヨーロッパでもっともノリにノッているチームだといっていいだろう。

ミランはイブラのチームだと言われがちだが、決してそうではない。イブラはここまでの14試合のうち半分に満たない6試合しか出場していない。「絶対王」がいない間チームを支えているのは若手選手たちで、今季のミランは5大リーグで最も平均年齢が若いチームとなっている。

そのひとりが昨冬にミランにやってきた21歳のベルギー人、アレクシス・サーレマーケルスだ。

 

ミランはサイドアタッカーが豊富にそろっている。レビッチ、ラファエウ・レオン、カスティジェホ、ハウゲ、ブラヒム・ディアス…。今のミランで最も選手層が厚いポジションだ。

そのサイドハーフで最も出場時間が長いのがサーレマーケルスなのだ。すでにピオーリ監督から絶大な信頼を勝ち取っていると考えていいだろう。

そんなサーレマーケルスはいったいどのようなプレースタイルなのか掘り下げていきたい。




サーレマーケルスのプレースタイル

 

圧倒的な走力が売り

サーレマーケルスの最大の売りはその圧倒的な走力にある。試合終盤になっても落ちないスタミナは圧巻で、右サイドを上下動しながら攻守に絡む。

攻撃時には積極的に裏のスペースをアタックしてボールを引き出す。前線のイブラにチャルハノール、後方のべナセルにケアは高精度のパスを配給できる。サーレマーケルスが「使われる」側に回ることで彼らのパス能力を最大限引き出しているのだ。

守備時には精力的にプレスバックしてサイドバックのカラブリアを助ける。守備力に長じるカラブリアとサーレマーケルスのコンビはミランの堅守に大きな貢献を果たしている。

というのも、セリエAの多くのチームは左サイドを攻撃の起点とすることが多い。ナポリサッスオーロローマラツィオ、ヴェローナとセリエAの上位陣はいずれも攻撃が左サイドに偏る。対するミランはここに右サイドのカラブリアとサーレマーケルスがマッチアップし、相手に自由な組み立てを制限することに成功している。これはセリエAを戦う上で大きなアドバンテージだろう。




サーレマーケルスだからできる「2対1」

ミランではサーレマーケルスの走力と守備力を生かした守備戦術が用いられている。ボールが逆サイドにあるとき、サーレマーケルスは中央に絞り気味の立ち位置を取ってCBへのパスをけん制する。

こうすることで相手のサイドチェンジを制限し、ビルドアップの自由を奪うことができるのだ。

もしサーレマーケルスの頭越しにサイドバックへボールを入れられても、走力に優れるサーレマーケルスはすぐさまプレスバックしてアプローチすることができる。

ボールの移動中に相手に追いつくことができる走力はサーレマーケルスにしかない能力だ。

今季のミランは高い位置から激しくプレッシングを行う戦術を採用している。基本的に高い位置からプレッシングを行う時はマンツーマンが原則となる。しかし、完全にマンツーマンにすると一人かわされたときにすべてがズレてしまうため、保険に一人余らせておきたい。

そうなるとどこかが数的不利になるわけだが、この数的不利を受け持っているのがサーレマーケルスなのである。

後で一人余らせつつもマンツーマンで激しくプレスをかける。この守備戦術を成立させるうえでキーマンとなっているのがサーレマーケルスなのである。だからピオーリはサーレマーケルスを外せないのだ。




ゴール前に入り込みゴールを奪う

さらに、サーレマーケルスは自らゴールを奪うこともできる。

逆サイドから味方が持ち上がり、クロスボールを上げられそうなタイミングでサーレマーケルスはバイタルエリアに入り込む。そうしてマイナスのクロスをダイレクトで流し込むのだ。

今シーズンのサーレマーケルスはすでに2つのゴールを奪っているが、いずれもこの形からだ。




サーレマーケルスの弱点

 

突破力はない

サーレマーケルスの課題は自分の足元にボールを置いた時に現れる。サーレマーケルスは自ら相手をかわしていくようなドリブル突破は得意ではない。左サイドのラファエウ・レオンと比べると局面打開力では明らかに見劣りする。

また、スルーパスで味方に決定的なチャンスを提供するようなプレーも精度が高くない。ここを通せばチャンスという場面でパスミスしてしまう場面は少なくない印象だ。

現状のサーレマーケルスはあくまでも「使われる」側に回ることで最大限に生きるプレーヤーで、「使う」側のプレーは得意ではないということだ。

将来的にここが成長して自ら違いを生み出せるようなプレーヤーになれば、チームの主役として脚光を浴びることもできるだろう。




あとがき

サーレマーケルスはミランでの活躍が評価されて10月の代表ウィークで母国ベルギー代表デビューを飾っている。この時に起用されたポジションはウイングバック。サーレマーケルスの走力を生かすにはぴったりのポジションだろう。

ミランで不動の地位を築きつつあるサーレマーケルス。プレースタイルは脇役的だが、チームに欠かせない黒子である。

とはいえサーレマーケルスはまだ21歳。まだまだ伸びていくだろう。今後の成長次第では、多くのファンにミランの主役として認知される日が来るかもしれない。

 

 

あわせて読みたい 関連記事

ミランの全選手一覧・簡単なプレースタイルの紹介はこちらから

【10年ぶりのスクデットへ】ACミランの戦術を徹底解剖!