【大ブレイク!超絶ドリブラー】三笘薫のプレースタイルを徹底解剖!

【大ブレイク!超絶ドリブラー】三笘薫のプレースタイルを徹底解剖!

2020年9月2日 3 投稿者: マツシタ
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いま、三笘薫が止まらない。

筑波大学から加入したルーキーは徐々にチームになじんで出場機会を増やしていくと、ルヴァンカップ鹿島戦から公式戦5試合連続で計7得点を叩き出したのだ。

そんな彼のプレースタイルはどのようなものなのだろうか。今回は現在ブレイク中の注目戦選手、三笘薫のプレースタイルについて掘り下げていく。




三笘薫の経歴

三笘薫はもともと川崎フロンターレの下部組織で育った生粋の川崎っ子だった。U-10から高校卒業まで川崎のユース一筋で育てられた三笘はしかし、プロになることなく筑波大学へ進学することになる。

とはいっても高校時代にその実力が認められていなかったわけではなかった。高校卒業時にプロ契約の打診を受けたものの、それを断る形で筑波大学に進学することを決断したのだ。

そんな三笘はその決断が間違っていなかったことをすぐさま証明する。筑波大学の一員として戦った2017年の天皇杯でJ1ベガルタ仙台相手に2得点を挙げて一気に名を上げると、その2か月後には古巣・川崎フロンターレの特別指定選手に指定されたのだ。当時、大学2年生だった。

その1年後には大学卒業後の川崎フロンターレ入団が内定したことが発表された。大学卒業まで2年近くを残した時点での加入内定は異例で、三笘への期待値の高さがここからもうかがえるだろう。

筑波大学時代の三笘薫。

その後も成長を続けた三笘は、加入初年度の今シーズン、いきなりチームの崩しの切り札としてチーム内に地位を確立。遠回りに見えた大学進学をスピード出世に結び付けて見せた。今後、三笘のように高校生からいきなりプロになるのではなく、大学で研鑽を積んでプロ入りを目指すルートを選ぶ選手も出てくるかもしれない。




三笘薫のプレースタイル

周りに惑わされることなく、一歩一歩着実に実力をつけてきた三笘。そんな彼のプレースタイルはどのようなものなのだろうか。

右利きの左サイドアタッカーとして左ウイングを主戦場とする三笘。サイドに張った位置からドリブルで仕掛けるのが十八番だ。そして前述のように得点も量産しており、得点力も兼ね備える。

ひとことでまとめてしまうと「得点力あるドリブラー」ということになる。

しかし、そんなことは彼のプレーを見たことがある人なら誰でもわかっているだろう。ここからは彼のドリブルにはどんな特徴があるのか、なぜ点が取れるのか掘り下げていこうと思う。




推進力あふれるドリブル

三笘のドリブルの破壊力が最大限に発揮されるのは、オープンスペースでスピードに乗った時だ。彼のドリブルには推進力がある。足の回転がそこまで早くないのでパッと見た感じではスピードがあるようには見えない。しかし、一歩一歩のストライドが大きいため、ぐいぐいと進んでいって相手を抜き去ってしまう。

写真を見ればわかるように、三笘はストライドが非常に長く、ぐいぐいと進んでいく。

なおかつ、その一歩が非常に力強い。多少相手に引っ張られても振り切ってしまえるだけのパワーがあるのだ。長身で細身なその見た目からは想像がつかないが、彼のドリブルは力強さにあふれているのだ。

彼の走りは回転の速さよりもストライドの長さに特徴があるため、タッチが細かいわけではない。しかし、一つ一つのタッチは非常に繊細で、ボールタッチが乱れることは非常にまれだ。また推進力があるために、体を入れられかけても相手を振り払ってボールに触ってしまうのだ。

スピードに乗った三笘を止めるのは容易ではない。

そして、そのパワーを生かすすべも習得しているように見える。比較的広いスペースがあるときは、的確なドリブルのコース取りによって相手に体を触れさせることなく距離があるところから抜いていく。

一方狭い局面では、いったんスピードを落として相手の足を止めてから、ぐいっと力強い一歩を踏み出すことで一瞬で相手を置き去りにする。完全に静止した状態から三笘の力強い前進を止めることはほとんど不可能といってよく、この突破でたびたび左サイドからチャンスを作り出している。

このように、恵まれたフィジカル能力を生かす三笘のドリブルには、派手なフェイントはほとんど見られない。余計なことをせず、相手にその力強さを押し付けることで蹂躙する。細身であるため「柔」のドリブラーかと思いきや、実は「剛」のドリブラーなのだ。




モーションが大きいボディフェイント

そんな彼が唯一多用するフェイントが、ボディフェイントだ。

彼のボディフェイントの特徴は、そのモーションの大きさである。ボールをその場において体全体を進みたい方向の逆に持っていくのだ。体そのものを動かすため非常にリアリティがあり、対峙するディフェンダーとしてはバランスを崩さないほうが無理だろう。

そもそもフェイントなく突き進むドリブルを得意とする三笘にこの体ごと移動するフェイントを繰り出されては、着いていかざるを得ないというものだ。このボディフェイントもまた、彼の力強いドリブルを生かすためのいいアクセントとなっている。




フォアの体の向きを作ってニアを撃ち抜く

このように、三笘は体を使って相手にプレーを読ませないプレーを得意としている。それを最大限生かしたプレーが、彼が得意とする得点パターンだ。

左サイドからカットインしてきた三笘は、シュート態勢に入るとフォアに巻いて打つシュートを意識させるように体を開く

体の向きでフォアへのシュートを匂わせる。

これにつられたゴールキーパーはフォアへの反応の準備をする。そしてディフェンダーも、フォアへのシュートコースをふさぐために足を出してくる。そこで、三笘はあえてニアを撃ち抜くのだ。

ディフェンダーとキーパーがフォアへのシュートを警戒したところでニアを狙う。

相手DFが出してきた足の下を通すことでニアを撃ち抜く、キーパーもフォアと読んでいるので、逆を突かれて反応が遅れる。このシュートは守る側からすれば非常に厄介だ。

体を開いてフォアを意識させながら、写真のように大きく体をひねってニアを撃ち抜く。相手DFの股下を通ってゴールに吸い込まれていく、三笘が得意とする得点パターンだ。

三笘はすでにこのパターンで2得点を挙げている。自分の形として確立しているのだろう。だからこそ、ここまで得点を量産できているのだ。

ヨーロッパではディバラが同じようにフォアと見せかけてニアを撃ち抜くシュートを得意としている。世界に出ても通用する形だといっていいだろう。




ゴール前に入り込むタイミングが的確

そんな自分から持ち込むパターンを持っている三笘。しかし、味方からのパスを受けて冷静に流し込む形も得意としている。これもまた、彼が得点を量産している秘訣だ。

彼が優れているのは、得点が取れるスペースへ入り込むタイミングだ。そのスペースに速く入りすぎると、相手がついてきてせっかくのスペースが消えてしまう。三笘はあえてそのスペースを空けておき、ここぞというタイミングで入り込む感覚に優れているのだ。

札幌戦でのシーン。バイタルエリアを空けておき、ここぞのタイミングで走り込んだ三笘は冷静にゴール右上に突き刺した。

使われる側にもなることができる三笘は、ボールを持った時にのみ生きるようなプレイヤーとは一線を画すといっていいだろう。




アウトサイドでのドリブル・パス

三笘は非常に内股だ。ゆえに、アウトサイドでのボールタッチが非常にスムーズである。一度見れば、その独特のドリブルフォームは目に焼き付くことだろう。

そんな彼はパスもアウトサイドで出すことを得意としている。わざわざ内股な足を開いてインサイドでパスを出すよりもむしろアウトサイドでパスを出すほうが体のつくりからして自然であり、スムーズに見える

写真のように、非常に内股な三笘はアウトサイドでのボール扱いを得意とする。

これもまた相手からしたら読みづらい。アウトサイドでドリブルしながらアウトサイドでパスを出されると、ディフェンダーからしたら非常に読みづらいのだ。カットインしながらアウトサイドで強いパスを中央に差し込むことを得意とする。

またボールが多少左側に流れても左足ではなく右のアウトサイドで処理しようとするのも三笘の特徴といえるだろう。それほど、彼はアウトサイドでのボールの扱いを得意としているのだ。




守備時の切り替えの早さ

このように、攻撃面で多くの特徴を持つ三笘だが、守備面でもすでに高い完成度を誇っている。

川崎フロンターレは自らがボールを支配することで試合を進めていこうとするチームであり、ボールを失った場合は即時奪回を目標に素早いプレッシングをかけることが求められる三笘はチームとして求められるこうした役割を消化できている。これは、特別指定選手時代を含めると3年間川崎フロンターレでトレーニングを積んできたことがアドバンテージとなっていると考えられる。

ボールロスト後は素早く切り替えて相手に襲い掛かり、ボール奪取を敢行する。その際、彼が持つスピードやパワーは大きな武器となっている。一度三笘につかまってしまった相手はそこから逃れることは容易ではない。スピードで振り切ることも、パワーで振り切ることも困難を極めるからだ。

彼のフィジカル的な特徴は守備面でも生きているのである。




三笘薫に求められる改善点

これまでに見てきたように、すでに崩し、得点といった攻撃能力だけでなく守備面でも高い完成度を誇る三笘薫は、総合力の高い完成されたサイドプレイヤーへの道を進んでいるように見える。

そんな三笘にも、少なからず改善点は存在している。最後に、三笘が改善すればさらに成長できるであろうポイントについてみていこう。

 

左足の精度

全需したように、三笘は左にボールが流れても右足アウトサイドでボールを処理しようとする癖があることは述べた。それは、右足への自信の表れでもある反面、左足のキックの精度の低さを隠すためでもあるかもしれない。

事実、時折見せる左足のキックは、右足のキックと比較するとどうしても見劣りしてしまうのだ。

ほとんどのボールを右足で処理している現時点でもすでに破壊力抜群の切れ味を誇る三笘が左足からも高精度のキックを繰り出すことができたら…。そうなったとき、Jリーグに三笘を止められるディフェンダーはいなくなってしまうかもしれない。

右足をメインに使いながらも、オプションとしての左足が機能するレベルにまで成長すれば、彼の破壊的な攻撃力は一段上へと昇ることだろう。

 

簡単に倒れてしまう傾向

そしてもう一つの改善点が、倒れてファウルをもらおうとしてしまう癖だ。

せっかくパワーとスピードあふれるドリブルを持っているのだから、そのまま進んでいけば得点できそうな場面でも倒れてファウルをもらおうとしてしまう、チャンスをみすみす逃してしまうシーンが散見される。これは、非常にもったいないと思う。

これも前述したが、三笘は相手に体を触れさせることなく突破していくドリブルが得意だ。その反面、相手にコンタクトを許すと途端に倒れてしまうシーンがあるのだ。

多少つかまれても押し切ってしまえるだけのパワーが三笘にはあるように感じる。食らいつこうとする相手さえも振り払ってしまうような、さらなる力強さが見てみたいものだ。

 




 

あとがき

いかがだっただろうか。

すでに完成度が高いアタッカーである三笘は、適応力にも優れているように感じる。大学サッカーからJリーグに移れば、当然レベルも上がる。そのレベルのギャップに苦しむことなく、むしろそのレベルを軽々と越えてしまった三笘薫は末恐ろしい選手だ。

この適応力は、海外に移籍した時にも生きてくるだろう。

現在の好調を継続し、コンスタントな活躍を継続していけば、三笘薫の海外移籍も遠い未来の話ではないかもしれない。

 

 

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