【日本のエデルソン】高木駿のプレースタイルを徹底解剖!

【日本のエデルソン】高木駿のプレースタイルを徹底解剖!

2020年7月14日 0 投稿者: マツシタ
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昨シーズン、昇格組でJ1の中で最も予算が少ないながら9位と躍進した大分トリニータ。今シーズンも再開後は2勝1分で無敗と好調をキープしている。

そんな大分は片野坂監督のもと特徴的な戦術をとっている。その大分サッカーにおいて重要な役割を担っているのが、ゴールキーパーの高木駿だ。

大分トリニータの守護神・高木駿

特殊な戦術を支える高木のプレースタイルも非常に特徴的だ。今回はそんな高木のプレースタイルについてまとめていこうと思う。




最大の武器はロングキックの精度の高さ

 

高木のキックはまるでエデルソン?

大分トリニータは低い位置から丁寧につないで組み立てていくプレースタイルを採用している。その組み立てには、GKである高木も組み込まれている。

高木の最大の特徴は、フィールドプレーヤーに混ざって組み立てに参加しても遜色ないレベルの足元の技術にある。

実際、ペナルティーエリアの外でボールを触ることも多い。ショートパスでの組み立ては正確だ。

しかし、彼の最大の武器はロングキックの精度とパワーにある。

大分が低い位置で組み立てるということは、そこにプレッシングをかけようとする相手の陣形も自陣へ引き出されることになる。そうすると相手DFラインも上がり、その裏には広大なスペースが空くことになる。

そのスペースへ一気にボールを送り込むのが、高木に託された役割だ。高木にはそれを成立させられるだけのキックの精度とパワーがある。

相手が前からプレッシャーをかけてくると、それにともなってDFラインも上がり、その裏には広大なスペースが広がることになる。そこへ高木がロングフィードを入れる。受け手は1トップが担うことが多い。

低い位置からのビルドアップに絡める足元の技術、一気に局面を変えるロングキックの精度とパワーは、聞き足が同じ左足である点も含めてマンチェスター・シティのエデルソンに通ずるものがある。さながら「日本のエデルソン」だ。

実際、再開後初戦となった第2節鳥栖戦では、1点目は高木が空いてDFライン裏へ送ったボールをフォワードに入った知念が収めたところから、2点目は高木のロングボールの競り合いのこぼれ球を拾い、田中の裏へ送ったところから得点に至った。チームが挙げた2得点ともに高木のロングフィードが起点となったのだ。

 




 

視野の広さと柔軟な判断

さらに、高木のロングフィードを警戒して相手がDFラインを下げると、中盤とDFラインの間にスペースができる。高木はそこへ引いてきたシャドーの選手の足元へ入れるパスも出すことができる

高木のキックを警戒して相手がDFラインを下げると、中盤にスペース(赤い四角)ができる。そこへ引いたシャドーへ高木がボールを入れることで相手のプレッシングを回避する。

このプレーを成功させるためには、高度な足元の技術はもちろん、相手DFラインの状況とフリーの見方を見逃さない極めて広い視野が必要だ。状況に応じてキックの質を変化させることができる柔軟性、それを支える視野の広さも高木の武器だ。

大分の特殊な戦術を成立させるためには、彼の存在は欠かせない。現在、大分トリニータで最も欠かせない選手だといっていいだろう。

 




 

ゴールを守る能力も非常に高い

 

反射神経の高さ

これまでに述べたように、長短のキックの質の高さとそれを柔軟に使い分ける視野の広さ・状況判断能力は、ほかのキーパーが持っていないという点で高木を特徴づける武器ということができる。

しかし、そんな高木がキーパーの本来の仕事である「ゴールを守る能力」で劣るかというと、決してそうではない。むしろ、その能力も高水準にある。

高木駿は身長が181cmと、GKとしてはむしろ小柄な部類である。しかし、彼は反射神経に非常に優れている。手前で味方にあたってコースが変わるディフレクションがあった時や、至近距離からのヘディングシュートなどにも即座に反応してはじき出すというビッグセーブが多い。

もちろん、低身長ながらきわどいコースのシュートにも飛びついてはじき出すことができるのは高い跳躍力あってこそだ。

 




 

敏捷性の高さ

さらに、身長が低いゆえの敏捷性の高さも高木の武器だ。1対1の場面では、高木は身長が低い分より相手との距離を詰めなければシュートコースを制限できない。しかし、高木にはそれを可能にする敏捷性がある。相手とボールが離れた一瞬のすきに相手との距離を詰め、しっかりとシュートコースを狭める。そして体全体を使って面を作り、シュートをブロックする。

クロスボールが上がった時にステップを踏みなおしてポジショニングを修正する場面でもその敏捷性は発揮されている

まずはクロスボールをキャッチもしくはパンチングできるように、飛び出しやすいポジショニングをする。そしてクロスに触れないと判断すれば、ゴールの中央にポジションを取り直してシュートに備える。高木のビッグセーブは、この細かいポジション修正があればこそだ。

 




 

今後に向けた課題は?

高木の課題を上げるとすればシュートをはじく方向だろう。シュートをセービングする場面では、できれば相手がいない安全なスペースへとはじき出すことができれば文句なしなのだが、高木がはじいたボールが相手のいる方向へ転がる場面は少なくない印象だ。

クロスボールに対するパンチングに関しては安全な方向へ逃げることができているので、セービングに関しても改善は可能なはずだ。

ここが改善されれば、高木のキーパーとしての完成度はより高まるはずだ。

 




 

あとがき

いかがだっただろうか。

明治大学から川崎フロンターレに加入するも出場機会を得られず、大分トリニータへ移籍した高木駿。そこで片野坂監督と出会って戦術的に重要な役割を任され、チームとともに成長してきた。

足元の技術やキックが注目されがちな高木だが、キーパーとしての純粋な能力もハイレベルだということがお分かりいただけたと思う。すでにキーパーとしての総合力は完成されており、国内でも屈指の実力を備えているように思う。個人的には、ぜひA代表で見たい選手だ。