【勝者はいつでも経済大国】日本は中国に抜かれた?

【勝者はいつでも経済大国】日本は中国に抜かれた?

2020年7月12日 0 投稿者: マツシタ
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我が国を追い抜き、中国が世界第二位の経済大国となって久しい。そう、我々日本は今や中国に追い抜かれてしまったのである。

しかし、日本人は心のどこかでこう信じ込んでいるような気がしてならない。

「世界はまだ中国よりも日本に対して好印象を抱いている。中国人は自分勝手で配慮に欠け、世界中で嫌悪感を持たれている。対して、日本がはぐくんできた独自の文化や先進技術は世界で好意的に受け入れられている。やはり、国際的な評価では、いまだ我が国は中国には負けていない。」

はたして、本当にそうだろうか。たしかに、「日本スゴイ!」を高らかに歌うテレビ番組が腐るほどあふれているなかでは、そう思い込んでしまうほうが自然だろう。しかし、現実は残酷なのだ。

今回の参考図書は佐藤拓氏著『親日国の世界地図』(祥伝社新書)だ。世界中の国で日本についてどのような印象を抱いているのかをまとめた内容となっている。この本では、世界各国が日本についてどのような印象を持っているのかについて、世間一般のイメージではなく、各種世論調査などのデータに基づいて調べている。信頼度の高い国際調査を用いているので、純度の高い調査結果となっているといっていいと思う。

そんな『親日国の世界地図』から見えてきた事実と我々日本人が心のどこかで持つ中国に対する優越感は、決して一致するものではなかった。

 




 

各国の評価で日本を逆転する中国

本書を読み進めていると、日本よりも中国について好印象を持っている国が多いことに驚かされる。日本人が信じたい事実とは真逆の現実が突き付けられたわけだ。

特に中国が日本に対する優位性を確立しているのは、中東諸国、アフリカ諸国、カリブ海諸国など。いわゆる「なじみが薄い国」といわれるような国々だった。

もちろん、日本に対する印象が悪いわけではないことは断っておかなければいかない。アフリカなどにおいて、中古品でもなお故障が少ない日本車に対する信頼感は大きなものがあるし、中東諸国とはエネルギー供給面で深いつながりがある。しかし、日本と中国を比べると、中国のほうが好印象なのだ。いったいなぜなのか。

 




 

吹き荒れるチャイナマネー

それは、中国がこれらにほんとはなじみが薄い国々に対しても積極的に経済援助を行っていることが原因だ。アフリカ諸国に対して中国は開発途上国だったころからいわゆる南南援助を行ってきた。近年の投資額は、中国の経済成長に伴って何倍にも拡大している。カリブ海諸国に対しての援助額も同じく増加している。2010年の調査によれば、カリブ海諸国の中国の評価は日本をはるかに上回ってアメリカに迫るほどだという。

さらに、経済力による印象の逆転現象は、経済的弱者の開発途上国だけにとどまらないのだから驚きだ。オセアニアの2つの先進国、オーストラリアとニュージーランドも、現在最も重要なパートナーとして中国を上げている。この2か国の最大の貿易相手国は中国だ。日本はおろか、重要な同盟国であるアメリカや旧宗主国のイギリスをも上回るのだから、いかに経済関係が重要かがわかる。

経済力の力関係の逆転とともに、両国に対する評価も逆転したとみていいかもしれない。結局、モノをいうのは経済力ということかもしれない。

 




 

実は日本も経済力を後ろ盾に親日国を増やしていた

実際、日本が世界中で親日家を増やしたのも、もとはといえば経済援助によるものだった。日本はかつて世界一の海外援助国だったのだ。その経済力を生かして数多くの国に経済支援を実施し、そこで日本と他国との間に接点を作り出してから文化や製品を世界中に輸出し、ジャパンブランドを確立したのだ。今は同じことを中国がやっているにすぎない。

つまり、日本は中国に追い抜かれたのだ。この事実から目を背けるべきではない。高齢化が進行して労働人口が減少していく日本と、今まさに伸び盛りの中国との経済力が再びひっくり返ることは、しばらくはないだろう。この事実をしっかりと受け止めたうえでどうしていくのか。それを考えていく必要があるのではないだろうか。

いかがだっただろうか。

日本は過去の栄光にすがりつくしかない「老いた金メダリスト」のままでいてはならない。経済規模でかなわないのなら、ほかに生き残るすべを見つけなければならない。

事実、相対的に中国の陰に隠れ始めているものの日本に対する印象は、依然として高いのだ。そのことは、『親日国の世界地図』を読めばわかる。今回は日本と中国との関係性に焦点を絞ったが、本書では日本に対する印象について、日本人もよく知る国から名前も聞いたことがないような国まで網羅的にまとめてある。我々が知らないような国にまで日本が知られ、なおかつ好印象を持たれていることがわかるだろう。

詳しい内容が気になった方は、ぜひ実際に手に取ってみてほしい。

それでは、今日はここらへんで失礼します。