~言葉を信じ、言葉におびえよ!~『言語化力』を読んでみた

~言葉を信じ、言葉におびえよ!~『言語化力』を読んでみた

2020年5月27日 0 投稿者: マツシタ
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私たちの日常生活で、言葉を聞かない日はない。言葉は、私たちの生活と深くかかわっている。

言葉ほど頻繁に使う道具もなかなか思いつかない。しかし、それと同時に言葉ほど使うのが難しい道具もなかなか思いつかない。その原因は、家電製品などのようなトリセツが言葉にはないことが大きいのではないだろうか。

そんな言葉を使いこなし自分の考え方を言葉にする意義・方法から、印象に残る言葉を生み出すことで人を動かし自分の人生を変える方法まで、幅広くまとめているのが三浦崇宏氏の『言語化力』(SBクリエイティブ)である。

本書は言葉を扱うためのスキルも取り扱っているが、表面的なスキルのみにとどまらず、言葉に関する考え方、言葉を使いこなす意義まで深く掘り下げられている。著名人の過去の名言、そして筆者の言葉まで、印象深い表現が非常に多かった。とてもここでは語り切れないため、特に印象に残ったフレーズのみを紹介する形とさせていただく。

 

 

言葉を信じること。それと同じくらい言葉に怯えることである。

このフレーズの少し前の部分も引用させていただこう。

「言葉というものは危険なものでもある。言葉の威力に怯えなくてはならない。僕たちは全員ナイフを持って、振り回しながら生きているそれくらいのイメージでいたほうがいい言葉によって人は死ぬ。言葉によって人が生かされるということもある。本当だよ。だから疎かにしない。気を抜いた、考えていない言葉なんてはけるわけがない。」

いかがだろうか。ネットで誹謗中傷を受けた著名人が命を絶ち、社会問題化している今の状況を見通していたかのようではないだろうか。

ここまで大きな問題でなくとも、言葉の伝え方を誤ったばかりに誤解が生じ、親しい人と衝突してしまうなんてことはほとんどの人が経験したことがあるのではないか。

言葉は使い方を誤れば人を傷つけてしまう、危険なナイフでもあるのだ。現代はSNSの普及によって、そのナイフの届く範囲が大太刀のごとく拡大している。多くの人を気付つける可能性があるのだ。だからこそ、今一度言葉の大切さ・危険性を知り、自分が発する言葉に怯え、考えてみる必要があるのではないだろうか。

 

 

過去は変えられる。それを変えるのは、現在を生きるあなただ。

恥ずかしい過去、屈辱的な過去。人によっては、消してしまいたいくらい嫌なものかもしれない。このような過去は、誰しもが持っているだろう。しかし、である。

「ある時点では屈辱的だったり、ピンチであっても、努力を積み重ねたり、解釈の仕方を変えたりすることで「必要な過去」に変えていくことはできるどんな過去だってこうやって意味を変えることで「成仏」できる。すべての経験は未来にとって必要な素材でしかないのだ。」

これは私のポリシーと重なる部分があったので引用させてもらった。もし何か失敗してしまって、そこで落ち込んで終わってしまっては、ただの失敗だ。しかし、その失敗を糧に学び、努力し、大きな成功をつかめば、その失敗は必要な過程だった、自分を成長させてくれるきっかけだったと美化することができるのだ。事象に意味をつけるのは言葉だ。その言葉を使いこなせれば、ポジティブに生きていくことができる

別部分からよりシンプルな言葉を引用しよう。

答え合わせはまだ先。」

失敗が最終結果ではない。成功への道の途中にある山なのだ。

 

 

言葉を上手に操るためには、言葉を「集めておく」ことが有効だ

人に響く言葉を使えれば、おのずと言葉によって人を引き付けることができる。この点において、オリジナリティのある自分だけの言葉を持っていれば強いことはおわかりいただけるだろう。しかし、このオリジナリティのある言葉を生み出そうと思うと、途端に難しくなってしまう。しかし、そんなに難しく考える必要はないと著者はいう。

言葉というのは、文脈によって、誰が話すかによって、意味が全然違ってくる。」

同じ言葉でも、立場が違う人が言うと意味は大きく変わってくるだろう。

「自分の立ち位置と言葉の掛け合わせによって、意味が変わってくるのだ。」

だから、必ずしも今までに聞いたことがないようなことを言ってやろうと気合を入れる必要はない。今までに聞いた心に残った言葉を組み合わせていくことで、おのずと自分オリジナルの言葉が生まれてくるのだ。

伝わる言葉、わかりやすい言葉に、人生においてたくさん出会っておくと、自分が何かを話すときにそれらの言葉を引っ張ってきたり、それらの言葉のエッセンスをうまく抽出して使うことができるので、結果として分かりやすい言葉、強い言葉を使うことができるようになる。(中略)様々な言葉を知っていれば知っているほど言語化の技術、表現の幅は広がっていく。(中略)強い言葉の断片、記憶の集積があなたの知らないところで、あなたのセンスを構築していくのだ。」

そのために、身近にいる話が面白い人の言葉に意識を向けておくこと、そしてたくさんの読書によってたくさんの言葉に触れることが有効になるのである。

 

いかがだっただろうか。

最後にもう一文だけ、引用しておこう。

「どうしてもぼくがあなたに伝えたかったのは、言葉の使い方ひとつで、人生なんて、いくらでも変えられるってことだ。」

言語化の方法、他人を動かす方法などの実用的なテクニックや偉人の名言をはじめ、ここでは取り上げられなかった部分についても非常に学ぶ部分が多く手面白い内容になっていた。ぜひ手に取って読み通してほしい。

それでは今日はここらへんで失礼します。