~女子校は天国、共学は地獄!?~『女子校力』を読んでみた

~女子校は天国、共学は地獄!?~『女子校力』を読んでみた

2020年5月8日 1 投稿者: マツシタ
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学校には、男女共学と男子校・女子校がある。どちらにも通った経験がある人は少なく、どちらかは未知の世界という人が多いことだろう。

恐らく、皆さんが思っている以上に共学と男子校・女子校の空気は異なる。そして、その異なる環境で育った卒業生たちも、想像以上に異なった性質を持って社会に出ていくのだろう。

そんな共学と女子校の空気感や卒業生との間の違いについて、78名の女性へのアンケートから探ったのが杉浦由美子氏の著作『女子校力』(PHP新書)だ。

今回はこちらの本の内容から感想と思ったことをつらつらと書いていこうと思う。

なお、私は男性なので、基本的には自分の経験ではなく本の内容から語っていることにご容赦いただきたい。

 

 

女子校と共学の違い

共学では男子がすべての決め手

まずは女子校と共学の違いから見ていこう。

女性社会では、男性とのかかわりがすべてを決めているといっても過言ではない。女子が集まったら必ずすること、それが男子の話だ。恋バナというやつである。

基本的に女子内でのカーストも、モテるかモテないかで決まっていく。運動部のエース的な立ち位置の明るい子がカーストの最上位にいるのはどこの学校でも大体同じだろう。そういう子がモテるからだ。

そして、何よりも大きいのが、異性がいる中での女子同士の監視の目だ。基本的に、同程度の人数の男女がいると、世間が生まれる。男性らしさ、女性らしさが求められるのだ。この監視の目が女子同士では特に厳しいものになる。女性らしく振る舞うだけでなく、「イケてる」趣味や部活が求められる。これに当てはまらない子には、容赦なく軽蔑の目が向けられる。

このように、共学ではモテ非モテで立場が決まり、カースト間での監視の目が厳しく、一度自分の立ち位置が決まるとその間を移動するのは容易ではないのだ。

 

好きなことに打ち込める女子校

一方、女子校には共学女子の世界ですべてのカギを握る存在だった男子がいない。それでは、女子校はいったいどうなっているのだろうか。

共学女子が集まると、恋バナをする。しかし、恋バナがしようがない女子校では、趣味が話題の中心になるのだ

これは、女子校の女子たちが趣味に没頭していることにも関係がある。男子と遊びに行ったりすることがないのだ。趣味が生活の中心になるのは当然のことである。

特筆すべきは、趣味が異なる人たちの中での監視の目や差別、簡単に言ってしまうといじめがないことだ女子校では、異なる趣味を持った生徒たちがお互いに干渉することなく認め合っている。趣味による差別がないからこそ周囲を気にすることなく趣味に没頭できる。そうして趣味に没頭した生徒たちは、他人がどういう趣味をしているかでああだこうだいうようなことはない。そこまで他人に興味がないからだ。こうして、いい循環が生まれているのだ。

だからこそいじめが起きにくく、カーストも発生しづらい。

ここは共学との最大の違いといっていい。世間の目がないからこそ自分の好きなことに没頭できる。本文中では女子校は天国のようだったと語る女子校出身者のインタビューも紹介されているが、これは嘘偽りない言葉だろう。

 

 

女子校出身者が社会に出て苦労すること

空気が読めない女子校出身者

というのも、女子校では率直なコミュニケーションがなされる。私も女子校から卒業して間もない女子との接点があったのだが、この点に関しては如実に感じた。思ったこと、感じたことはかなりストレートに発言してくる。共学出身の自分は、共学女子との大きな違いを感じたものだ。

これは、女子校に監視の目がないというメリットの裏返しの部分で、空気を読む力が育たないのだ。お互いに他人の目を気にしないで行動してきているため、ここの能力は共学出身者に大きく劣る部分だろう。

事実、本文中でも女子校出身者は言葉の裏を読めないがゆえにさぼり方がわからず、体調を崩しやすいこと、男性との接点がないゆえに男性のメンツをつぶしてしまいがちであることなどが紹介されている。

大部分の女子校出身者は男性との接点がないため、いざ共学の大学に進学して恋愛をしようとしても、どうすればいいのかがわからないというのも女子校出身者が苦労する部分だ。何しろ若い男性教員としゃべっているだけでチャラいと言われる世界だ。卒業後に集まっても、女子校出身者同士の友達とは恋愛の話をしないという人たちも多いという。

 

「自分力」は武器になる

とはいえ、最近は空気を読むことに過剰になりすぎて、自分からは発言できない若者たちが増えてきているという。みんなが空気を読んで発言しない中で、ズバズバと意見を言えるような人材が重宝されることは想像に難くない。

本文中では、このような他人を見るのではなく自分は自分、他人は他人という意識で自分のやりたいことを貫く力を「自分力」として紹介している。この「自分力」に欠如した人が増えてきているからこそ、こうした能力を備えた人材が求められている。

そして、この「自分力」の養成に最適な環境こそが女子校である。「自分力」は女子校出身者の武器となるのだ。

 

いかがだっただろうか。共学出身者からすると、男女別学では異性がいなくて楽しくなさそうという印象を抱いているかもしれないが、お互いが干渉せず、趣味に打ち込めるというのは非常に大きな魅力なのではないだろうか。趣味を極めたい人にはうってつけの環境だといえるだろう。

もし今後進路を考える機会がある人は、男女別学を視野に入れてみてはいかがだろうか。

それでは今日はここらへんで失礼します。