『世界5大宗教入門』を読んでみた! ~宗教についての日本と海外での捉え方の違い~

『世界5大宗教入門』を読んでみた! ~宗教についての日本と海外での捉え方の違い~

2020年1月31日 0 投稿者: マツシタ
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日本において、宗教という単語はマイナスなイメージでとらえられることが多いと感じる。その大きな原因が、地下鉄サリン事件で一躍有名となったオウム真理教だろう。この悲惨な事件以降、宗教勧誘に気をつけろ!と盛んに叫ばれるようになった。

さらには、日本人ジャーナリストの後藤健二さんの事件で、イスラム国も世間に広く認知された。このイスラム国は、世界5大宗教の一つ、イスラム教の名を冠している。イスラム教はただでさえ宗教に疎い日本の中でも最もなじみのない宗教の一つと言っていい。イスラム教についてよく理解していないところにこのような事件が起こったことで、イスラムと聞いただけでなんとなく危険なイメージを持つ日本人は少なくないのではないか。

かくして、日本では宗教は何やら怪しげな、そして危険な思想だと考えられるようになってしまっているだろう。

しかし、このような宗教観は、世界的に見て非常識なのだ。

『世界5大宗教入門』の概要

世界においては、宗教は日常生活に溶け込んでいる、ごくごく身近なものだ。宗教は信者たちの価値観や考え方にさえも影響力を持っていることが多く、グローバル化の進展によって世界中の人たちと仕事をしていく必要に迫られるであろうこれからの時代、宗教に関する教養はビジネスエリートに必須の知識だ。

この知識を日々多忙なビジネスマンが効率よく吸収できるようまとめたのが、ダイヤモンド社の『世界5大宗教入門』(著者:山中俊之)である。

この本では、世界5大宗教とされるユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教について、その成立・発展の歴史や中核となる教義、そしてそれらが現代社会や人々の生活にどのような影響を与えているかをまとめているほか、日本の宗教や最新時事と宗教の関連についてもまとめている、まさに宗教の入門書だ。

この本を読めば、現在日本でイメージがよくないイスラム教が異教徒や貧者に寛容な宗教であることがわかるはずだ。

 

宗教は人々の生活に入り込む

海外における宗教の影響は、日本では考えられないほど大きいと海外経験豊富な著者は言う。

例えば、世界一の大国であり、日本の最大のパートナーであるアメリカでは、およそ89%の人が神の存在を信じているというよう調査がある。世界一の先進国でも、大多数の人が神の存在を信じている。アメリカは日本人の想像以上に宗教的な国なだ。

また、インドにおいて実質的にはいまだに残っているカースト制度やイスラム教の断食や礼拝など、海外において宗教は生活の一部なのだ。

実は、日本においても、思わぬところで宗教の影響を受けている。本書29ページの文を引用すれば、「日本人の多くは神社で初もうでをし、キリスト教徒でなくても教会で結婚式を挙げ、クリスマスを祝い、仏教という意識はないけれどお葬式にはお坊さんを呼び、死んだら先祖代々のお墓に入って当然だと思って」いるのだ。このように見ると、日々の生活において宗教が無意識のうちに浸透していることがわかるだろう。

宗教的な教養は、もはやこれからの時代で必須になる。外国人にとって当たり前だからだ。海外で不浄の手とされる左手で握手しようとすれば、すぐさまビジネスはおじゃんになるだろう。

宗教発祥の地と地理的に離れており、また鎖国的な歴史によって宗教的な偏差値が低いまま現代を迎えた日本人。しかし、世界が空間的な距離を超えて一つになろうとしている今、その宗教偏差値は改善していかなければならないのではないだろうか。