惜しくも優勝を逃したFC東京の戦術と移籍市場のポイントをまとめてみた。

惜しくも優勝を逃したFC東京の戦術と移籍市場のポイントをまとめてみた。

2020年1月13日 0 投稿者: マツシタ
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2019年シーズン、FC東京はJリーグを2位で終えた。シーズンの大半を首位で過ごし、悲願の初優勝を期待されながら最後の最後に横浜Fマリノスの勢いに押され、無念の準優勝だった。

とはいえ、長谷川健太監督のもとすごした2年間でチームの完成度は着実に高まっており、来期は是が非でもタイトルを手にしたいところだろう。

FC東京はどのような戦い方を見せたのか、そして来期に向けて改善すべきポイントはどこなのか。迫っていこうと思う。

 

今季の基本布陣

 

 

戦術をひとことで表すと堅守速攻

FC東京の戦術をひとことで表すとれば、「堅守速攻」だろう。平均支配率は50%を下回る45.6%、ロングカウンター指数はリーグ1位と、データも堅守速攻の戦術を裏付けている。

基本的には4-4-2の緻密な守備ブロックを構築して待ち構え、ボールを奪えば前線へ飛び出す鋭いカウンターを繰り出す。この完成度が非常に高いのだ。

守備ブロックはコンパクトでスライドも早く、攻め崩すのは非常に難しい。センターラインを固める選手のクオリティーの高さもある。元日本代表の森重真人と東京五輪世代のルーキー渡辺剛はともに空中戦の強さとスピードを兼ね備え、その前を日本代表に完全に定着した橋本拳人がプロテクトする中央の守備強度は抜群。そこを突破しても、ビッグセーバーの林彰洋が待ち構えるのだ。

カウンターの中心は、リーグ屈指の強力2トップだ。この強力2トップだけでフィニッシュに持って行ってしまうシーンも多くみられた。

圧倒的なスプリント能力を誇る永井謙佑は今季にフィニッシュワークの技術も向上させ、日本代表にも定着した。カウンターでは、彼のスピードが猛威を振るう。

そして、彼と組むのが超万能フォワードのディエゴ・オリベイラ。フィジカルを利したポストプレーはもちろん、足元の技術レベルもかなり高く、相手を背負いながらターンして相手をはがすこともできれば、ドリブルで仕掛けて相手をかわしたり、強引に持ち運んで局面を打開するなど、遅攻になったときに彼が担う役割は非常に大きい。

遅攻時にディエゴ・オリベイラとともに重要な役割を担うのが、ボランチの位置に入る高萩洋次郎だ。豊富な運動量で常にパスコースを生み出し、少ないタッチでボールポゼッションにリズムを生み出しつつ決定的なスルーパスで得点を演出する司令塔だ。久保建英の退団後もチームが創造性を一定に保てたのは、彼の存在が大きい

また、堅守速攻のチーム戦術をまさに体現したような男、室屋成にも言及しないわけにはいかない。右サイドで圧倒的な運動量を見せ、守備はもちろん攻撃でもその走力でサイドを切り裂き、日本代表にも定着するなど、飛躍の一年となった。まさに今旬の選手の一人だ。

 

選手層の拡張が移籍市場での課題だが

そんなFC東京の今回の移籍市場でのポイントは、選手層の拡張だろう。今期のFC東京は、Jリーグの中でも最もスタメンを固定して戦ったチームの一つだった。久保建英の移籍以外、主力のケガによる長期離脱などもなかったため、このスタイルを貫き通せたことは大きかっただろう。

しかし、来期はACLに参戦する(しかもプレーオフからだ)チームは、より過密日程を強いられる。さらに、11月末に負傷した協力っぷの一角、永井謙佑が全治4か月のケガを負っており、開幕から約2か月は出場できない。他の主力がいつケガをしないとも限らず、やはり選手層を拡張しておきたいだろう。

ここまでの補強では、両サイドハーフとフォワード、センターバックの補強には成功している。特に、磐田からアダイウトン、鹿島からアダイウトンを獲得した両サイドは充実。アダイウトンはセンターフォワードもこなせるため、永井が復帰するまではディエゴ・オリベイラとコンビを組むことになるだろう。またレアンドロも、2トップに頼りきりだった攻撃に新たな形をもたらす新戦力として期待は大きい。

 

そして、U23代表の岡崎慎を清水にレンタルに出したセンターバックには神戸からジョアン・オマリを獲得して一定の質を保っている。森重・渡辺コンビを脅かす存在になれるか。

一方、補強が急務なのがサイドバックだ。シーズン終盤にレギュラーを担ったオ・ジェソクが退団。レフティーの小川諒也が控えるものの両サイドに控えが不在に。特に、室屋が不在になるとそのダメージは計り知れないだろう。小川は両サイドをこなせるだけに彼を控えに回し、左サイドバックにレギュラーを担える実力者を迎え入れたいところだ。

 

昨季終盤に逆転されて優勝を逃してしまった悔しい幕切れだっただけに、今季は是が非でもタイトルが欲しいだろう。FC東京がどのような進化を見せて新シーズンを戦うのか、注目だ。