ユベントスを撃破! セリエAで好調のラツィオの戦術まとめ

ユベントスを撃破! セリエAで好調のラツィオの戦術まとめ

2019年12月8日 9 投稿者: マツシタ
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※この記事は昨シーズンのラツィオの戦術をまとめたものになっています。今シーズンのラツィオの戦術は下のリンクからどうぞ!

【後半戦の巻き返しに注目!】ラツィオの戦術を徹底解剖!

 

今、セリエAで面白いサッカーをするチームがある。首都ローマに本拠地を置くラツィオである。現在3位、特にここ最近は7連勝・10戦負けなしと絶好調で、直近のリーグ戦ではイタリアに冠たる絶対王者、ユベントスに3-1の完勝である。

目を引くのは、リーグ2位の得点力。1位のアタランタとともに3位以下を大きく引き離しており、その攻撃力はリーグ最強といってもいいだろう。

そんな魅力的な攻撃サッカーを繰り出すラツィオの戦術について掘り下げていこうと思う。

 

 

基本フォーメーション

 

 

攻撃

前述の通り、ラツィオの魅力はなんといってもその攻撃力である。

 

相性抜群の2トップ

攻撃を牽引するのが、絶対的なエースのチーロ・インモービレ。ここまで15試合で17ゴールと試合数を上回る驚異的なペースで得点を量産しており、2位のルカクの10ゴールを大きく引き離して得点ランクトップを快走中だ。

ゴール前での仕事に特化した典型的なストライカーである彼は、フリーになる駆け引きのうまさが特に傑出している。また自ら得点を奪うだけでなく、得意の駆け引きからボールを受ければアシストもできる選手であり、チーム2位の5アシストを記録している。絶対に欠かせないチームのキングだ。

より詳しい彼のプレースタイルは、下の記事から飛んでみてほしい。

そのインモービレのアシストを主に受けているのが、彼とコンビを組むホアキン・コレアだ。インモービレに次ぐ6ゴールを挙げているコレアはしかし、得点よりもむしろ崩しの局面の最大のカードだ。

基本的にボールサイドにコレアが寄って行って、インモービレがサイドで待つ。ボールサイドでボールにかかわったコレアは、非常に高い技術を駆使した仕掛けでいとも簡単に相手をかわし、決定機を演出する。彼の突破からインモービレが決めれば、インモービレがコレアにアシストする。この2トップの相性は抜群で、セリエA最強の攻撃陣を牽引している。

 

迫力ある攻撃を演出するインサイドハーフ+ラッザリ

ラツィオの攻撃を一言で表すとすれば、それは「迫力」だろう。自慢の2トップだけでなく、中盤や最終ラインからも選手が飛び出し、人数をかけた分厚い攻撃を繰り出す。積極的にミドルシュートを打つこと、全体として大柄な選手が多いことなども、その迫力を演出しているのだろう。

セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチはこの戦術を象徴している。191cmの彼は基本ポジションこそ中盤のインサイドハーフだが、攻撃時には前線へと飛び出して第3のストライカーとして振る舞う。長身ゆえに空中戦に強く、また足元の技術レベルも非常に高く浮いたボールをピタッと足元に止める技術が一級品。一時期ネクスト・ポグバとしてユベントスやマンチェスターユナイテッドからも狙われた彼はヘディングでも右足でもネットを揺らす「点を取れるMF」として鳴らす。

そのミリンコビッチ=サビッチや2トップに決定的なパスを供給し続けるのがアシストマスターのルイス・アルベルトだ。広い視野を持つ彼は駆け引きでフリーになったインモービレやゴール前に飛び出すミリンコビッチ=サビッチを見逃さず、正確なボールを供給してアシストを量産。現在11アシストで、6アシストで2位のペッレグリ―二を大きく引き離してセリエAのアシストランキングで1位を爆走中だ。

そして、今夏に新加入のラッザリの獲得も大きい爆発的な加速力と運動量を活かした縦への持ちあがりと正確なクロスに特徴を持つ彼もまた、迫力ある攻撃を作り出している。空中戦に強いミリンコビッチ=サビッチやインモービレを活かすという意味でも彼のクロスの存在は大きい。

 

サイドチェンジを多用するビルドアップも安定

ゴール前人数をかけた分厚い攻め、得点王とアシスト王の存在。これがラツィオの攻撃の主な形だが、そこまでボールを運ぶビルドアップの局面もあんていしている。

その中心にいるのが、リベロのアチェルビだ。足元の技術に優れるだけでなく視野が広く、正確なくさびをどんどん供給して局面を前に進める。ビルドアップの中心的存在だ。

また、ストラコシャの言う足元に優れたキーパーがいるのも大きい。彼がビルドアップが詰まったときの逃げ場として大きな役割を担っているのだ。

また、ビルドアップにおいてサイドチェンジを多用するのもラツィオの攻撃の特徴の一つ。アチェルビの両脇を固めるサイドCBから逆サイドへのサイドチェンジが多いが、中盤の選手も局面を変えるためにサイドチェンジを多用する。このダイナミックな展開から手薄になった逆サイドを突破するシーンが多いのも、彼らに固有の特徴だろう。

 

 

守備

攻撃にばかり目が行きがちなラツィオだが、実は守備も安定している。失点の少なさは王者ユベントスと並んでリーグ2位タイなのだ。

ボールロスト直後こそボールを奪いに行くものの、基本的な守備戦術はリトリート。いわば自陣撤退だ。両ウイングバックがDFラインに入って5バック化し、しっかりと構えたブロックで相手を待ち構える。この守備ブロックの完成度は非常に高く、選手間の距離を狭くして相手をすぐさま囲んでしまうのだ。

ボールを奪えば前線に飛び出す選手へボールを入れて迫力あるカウンターを繰り出す。それがだめなら技術に優れる中盤の選手が細かいパス交換で相手のファーストプレスをいなしてポゼッションを確立させる。いずれのプレーも完成度は高い。

DFラインを統率するのは、ビルドアップの中心であるアチェルビ危険を予測して早めにカバーに入ってピンチを未然に防ぐ、賢い守備者だ。攻守両面で圧倒的な貢献を見せる彼は、インモービレと並んで欠かせない選手だろう。

また、アンカーに入るルーカス・レイバの存在も大きい。DFラインの前を幅広く動いて中盤を引き締める。攻撃面での貢献度は低いものの、タックル数、インターセプト数ではともにチームナンバーワンの数字を残しており、守備面での貢献度は絶大だ。事実、前節に食らったレッドカードによる出場停止を受けて彼を欠いたアタランタ戦でここまでリーグ戦最多の3失点を喫しており、彼の存在感の大きさを物語る。このように、カードが多いのは玉にきずだ。

 

 

あとがき

絶対王者ユベントスが政権交代の過渡期から安定感を欠き、そしてここ数年彼らに次ぐ存在としての地位を確立していたナポリの崩壊で例年以上に混戦模様のセリエA。そんな中ラツィオは最終的にどの順位にいるのか。

ここ数年は大きな陣容入れ替えを行わず、継続路線を歩んできたことからチームとしての完成度はリーグ随一だ。この調子を保てれば優勝を争っても不思議はないように思う。その魅力的な攻撃サッカーで、イタリアから世界中にその名をとどろかせてほしい。

 

 

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