~狂った歯車は監督交代後初戦でも戻らず…~ プレミアリーグ第14節 アーセナルvsノーリッジ レポ

~狂った歯車は監督交代後初戦でも戻らず…~ プレミアリーグ第14節 アーセナルvsノーリッジ レポ

2019年12月3日 0 投稿者: マツシタ
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11月29日、イングランド・プレミアリーグの強豪アーセナルはエメリ監督の解任を発表した。

後任監督は未定で、クラブのOBリュングベリが暫定監督として指揮を執ることになります。

そして監督交代劇から3日後に迎えた初戦、相手は降格圏に沈むノーリッジ。しかし、低調な出来に終止し、試合は2-2の引き分けに終わりました。これで公式戦8試合勝ちなしです。

アーセナルの歯車はどこが狂っているのか、今後どこを改善していくべきなのか、この試合から解き明かしていきたいと思います。

 

アーセナルのスターティングメンバー

 

攻撃の局面

ビルドアップではハイプレスへの耐性の低さが垣間見える

ビルドアップの局面について。ノーリッジがある程度引いていた前半はある程度スムーズに進んでいた。ここで中心になっていたのはゲンドゥジ、ダビド・ルイス。ここから前へのボール運びに成功してはいた。スピードのあるオーバメヤンへ早い段階でロングボールを入れる形も一つの形として機能していたと思う。

しかし、後半になると流れは一変する。後半の15分にアーセナルが追いつくとノーリッジは前からのハイプレスに戦術を変更。これに苦しんで攻撃を組み立てることができず、残りの30分はほぼずっと自陣に釘付けにされてしまうのだ。なんでもないようなシーンでジャカやチェンバースがボールロストするシーンが散見され、押し込まれてからはFWにボールを運ぶことすらままならなかった。プレッシャー下ではボールの精度が落ち、オーバメヤンへのロングボールも精度を欠いた。

このプレス耐性の低さは大きな問題だ。今冬のジャカのボルシアMGへの復帰が取り沙汰されているが、アーセナルからしたらジャカを放出して上質なビルドアップ能力を持つセントラルMFを獲得できればそれに越したことはないはずだ。

 

崩しではアイデア不足が…

崩しの局面では相変わらず2大エースのラカゼットとオーバメヤンへの依存度が高く、彼らが抑え込まれると途端に攻撃が行き詰まってしまう。この試合の2得点もフリーキックから得たPKにコーナーキックのこぼれ球と、両得点ともにセットプレーから生まれたもの。流れの中からの決定機は皆無だった

ここにアクセントを加えられる存在が出てこないと厳しいだろう。前政権下では冷遇され、今節先発に復帰したエジルも効果的な働きは見せられなかった。ベンチにはドリブラーのぺぺや進境著しい若手のサカやマルチネッリらがいたが、ここは現在負傷離脱中のダニ・セバジョスを中心に据えることを推したい。華麗な身のこなしからパスやミドルシュートを繰り出すプレイメーカーで、東京五輪世代のスペイン代表の中心でもある。けがから復帰した彼を攻撃の中心に据えれば、ビルドアップの局面での助けにもなり、崩しの局面でも決定的な働きを見せてくれるはずだ。

 

 

守備の局面

前線からの守備

続いて守備の局面についてみていこう。

前線からのプレッシャーは一定の機能性を見せていた。ボールホルダーにプレスをかけるとともに、その周りのパスコースを消し、ボールをつなぎたいノーリッジに対してロングボールでボールを捨てさせることに成功していた。ここに関しては唯一チームとして連動できていたフェーズだと思う。ただ、それを補って余りあるほどの稚拙さを露呈したのが中盤以降の守備である。

 

中盤より後ろはプレッシャーが甘すぎる

今日の試合の2失点はともにカウンターから食らったものだ。相手を押し込む以上カウンターを食らうのは仕方がないが、問題は相手が素晴らしかったというよりも簡単にやられすぎているということだ。両失点ともに前進してくるボールホルダーに誰もプレッシャーに行けずに勢いを殺せず、簡単にラストパスを出されてる

1失点目に関してはボールホルダーより前には相手FWひとり、対してアーセナルの守備は5人いた。にもかかわらず中央を突破されているのだ。ここでの問題は相手FW・プッキの動き出しに合わせて動いたダビド・ルイスの動きに、ムスタフィがまったく反応せずその場に棒立ちになっていたこと。しっかり中央に絞っていれば防げた失点だっただろう。ベンチにソクラティスを置いてムスタフィを起用したいとは何だったのか。リュングベリの兵用には大いに疑問が残る。

2失点目ではプレスバックの遅さがありありと出た。裏を取られた右サイドバックのチェンバースはジョギングで戻りプレスバックの意識は皆無。ラストパスとなったマイナスの折り返しもジャカがしっかりプレスバックしていれば間に合ったはずだ。酷いありさまである。

また前述のようにラスト30分の押し込まれた時間帯も総じてプレッシャーが甘く、ノーリッジに面白いようにボールを回された。レノの2つのビッグセーブがなければ確実に大金星を献上していただろう。

この問題の解決には、まずトレイラの起用が不可欠だろう。この試合も途中出場したトレイラは、ロスタイムにカウンターからの決定的なパスを水際で防いでいる。彼がいなければパスが通り、シュートが決まっていた可能性が高い。このように球際で体を張れる彼の起用はある程度中盤を引き締めるだろう。さらにゴール前にも進出できるのもトレイラの特徴で、この試合もこぼれ球にミドルシュートを打つ場面も見られた。好守に貢献できる彼を2ボランチの一角に起用し、中盤の軸とするべきだ。

また右サイドバックもチェンバースでは力不足で、ベジェリンの復帰が待たれるところだ。しかし、彼もスピードを武器にするプレースタイルから負傷が多く、できれば冬にもう一枚加えておきたいところだ。

 

いかがだったでしょうか。

この試合を見るかぎり、トップチーム指揮の経験がないリュングベリに多くを望めないのは明白であろうと思われる。後任候補としてアッレグリとコンタクトをとったが断られたという報道もあるが、とにかくいち早く後任監督を決定してチームとしての方針を固め、冬の移籍市場で陣容のパワーアップを目指すべきだろう。

それでは今日はここらへんで失礼します。