『米中衝突』を読んでみた ~日本が米中衝突の最前線になる日は近い!?~

『米中衝突』を読んでみた ~日本が米中衝突の最前線になる日は近い!?~

2019年3月10日 0 投稿者: マツシタ
Pocket

みなさんこんにちは。

今日は中公新書ラクレの『米中衝突』を読んで記事を書いていこうと思います。

 

朝鮮戦争終結は日本の国難!?

本書は米中衝突に際する中国やトランプ大統領の思惑、米朝会談などの検証を経て、今後の東アジア情勢を読み解いていくという構成になっています。この記事では今後の東アジア情勢の中から、特に日本に関することについて述べていた部分で印象に残った部分について書いていこうと思います。

現在、南北朝鮮は急速に接近していますが、そうなることを本書は言い当てています。さらに、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長とアメリカのドナルド・トランプ大統領は朝鮮戦争の終結という歴史的な成果を手にすることに意欲的です。これらの要素を総合して考えると、朝鮮戦争は終結に向かっていくと考えられます。これは一見すると素晴らしいことのように思えますが、日本からしてみると国家的な危機と言っていいのです。

現在休戦状態となっている朝鮮戦争が平和条約によって集結する。このシナリオが現実のものになると、朝鮮戦争時に派遣され現在も駐留している在韓米軍が撤退することが濃厚です。こうなってしまうと韓国は急速に中国に接近すると考えられると著者は言うのです。

 

韓国は海洋国家から大陸国家へ

地政学的な観点から、韓国は大陸に接する大陸国家と海洋に接する海洋国家の両方の性質を併せ持つ半島国家と考えられることが多いですが、実際には交流が立たれている北朝鮮を挟んで大陸から断絶されているため、海洋国家と変わらないのです。そのために、同じ海洋国家である日本や海洋国家色が強いアメリカと同じビジョンが共有できたわけです。

しかし、朝鮮戦争が集結して38度線を無視して北進できるようになると、物流は大陸と陸続きで直接つながり、パイプラインを敷くことだって可能なのです。こうなると韓国と中国・ロシアの結びつきが過去例を見ないくらい接近することは明らかです。つまり、朝鮮戦争が集結すれば韓国は急速に大陸国家としての性格を強めていくのです。こうして、韓国は中国の勢力に吸収されていくのです。

 

日本は米中グレートゲームの最前線に押し出される

こうなってしまうと、どうなるか。著者が提唱しているのが、「新アチソンライン」という考え方です。現在、中国とアメリカの勢力が衝突している最前線は、南北朝鮮の軍事境界線である北緯38度線。これが朝鮮戦争終結に伴って米軍基地を有する日本と韓国の国境である対馬海峡に降りてくるわけです。これが「新アチソンライン」というわけです。

これはつまるところ、日本が中国とアメリカ両国の衝突の最前線になるということを意味します。北朝鮮問題の終結は中国問題の幕開けなのです。この国家的な危機が差し迫っているのを前にして、我々日本人はどうしていいくべきなのか、考えていく必要があるでしょう。

 

いかがだったでしょうか。

北朝鮮とアメリカが結ぶことを言い当てた前著『独裁の宴』に引き続き、大胆なシナリオを提示している本書ですが、南北朝鮮が接近するという初期の段階については見事にいい当てています。果たしてこのシナリオが実現するのか、また実現したときに我々日本がどのような対応をしていくのか、日本人として関心を持つ必要がありますね。

それでは今日はここらへんで失礼いたします。